いつもはたらふく餌を食べる猫が食欲不振なのか、あまりごはんを食べないと感じたことはありませんか?
猫は季節や環境の変化などわずかな要因の変化で食欲が低下しがちな動物です。
しかし、場合によっては食欲不振が大きな病気の症状として現れることもあるため、食欲が落ちているなと思ったら注意深く観察することが大切です。
そこで今回は、猫が食欲不振で元気がない時の原因と対策をご紹介します。
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本当に食欲不振?猫は餌をムラ食いする動物
かわいがっている愛猫がごはんを食べないと『いったいどうしたんだろう・・・どこか悪いのかな・・・』と心配になってしまうのが飼い主の心情です。
しかし、はじめに知っておいて欲しいのは、猫はムラ食いをする動物だということ。
ムラ食いとは、毎回の食事量が一定でなく、食べるときと食べないときの差があることです。
(参考:デジタル大辞泉)
周囲の環境の変化だったり、ちょっと気分が乗らないなどの理由で餌を食べようとしないことは猫にとって珍しいことではないのです。
とは言っても愛猫が餌を食べてないとやっぱり不安になりますよね。
いくら猫がムラ食いする動物とはいえ、何も食べない絶食期間が続くと低血糖や肝リピドーシスを起こしてしまう恐れもあります。
そこで、ムラ食いと危険な食欲不振とを見分けるためにも、目安となる時間を知っておきましょう。
育ち盛りで食欲旺盛である段階の子猫では12時間以上、身体が出来上がっている1歳以上の成猫では24時間以上何も食べなければ食欲不振と判断することができます。
・6ヶ月未満の子猫:12時間以上食べない
・1歳以上の猫:24時間以上食べない
猫が食欲不振で餌を食べない・元気がない時の原因と対策
- 猫風邪
- 歯周病・口内炎
- 下痢・嘔吐
- 老猫になって代謝が落ちてきた
- フードに飽きた
猫風邪
猫風邪にかかると、食欲不振になることがあります。
私たち人間はテレビのグルメ番組を見て(視覚のみで)食欲がかきたてられますが、猫にとっての嗅覚は、私たち人間の視覚に匹敵するぐらい大きな役割を担っています。
猫は主に嗅覚で食べ物が食べられるか食べられないかを判断しています。
猫風邪にかかって鼻が詰まることで、食べ物のにおいを感じることができなくなり、食欲がわかずに食欲不振におちいってしまうというわけです。
対策としては、においの強いキャットフード・おやつを与えたり、猫風邪を治すことが大切です。
風邪をひいていても完全に両方の鼻が詰まってしまうことはまれですから、においの強い食べ物を用意することで猫の食欲を刺激することができます。
また、猫風邪は免疫力の低下にもつながるため、できる限り早めに治してあげましょう。
歯周病・口内炎
歯周病や口内炎など、口の中に問題を抱えることで食欲不振になることがあります。
私たち人間でも口内炎ができると、食事の度に痛みを感じてつらいですよね。
猫はデリケートな動物で、口の中に歯周病・口内炎など違和感を覚えることで食事をとらなくなってしまうことがあるんです。
とくに気をつけて欲しいのが、歯磨きをしてもらう習慣のない猫です。
歯磨きをしてもらう習慣のない猫はほぼ100%歯周病にかかっています。
歯磨きをしないと歯周病菌が繁殖するだけでなく、口内環境が悪化して口内炎などその他口腔内の病気を引き起こすリスクが上がります。
最も効果的な対策は、歯磨きをすることです。
しかしながら、犬と違って猫の場合、簡単に歯磨きをさせてくれないというケースがほとんどです。
猫が嫌がって歯磨きができない場合は、いきなり磨くのではなく段階を踏んで徐々に慣れさせていきましょう。
①指で口元を触るのを慣れさせる、②指で口の中を触るのを慣れさせる、③歯ブラシを口の中に入れるのを慣れさせる、と徐々に歯磨きができるように慣れさせていきましょう。
・指で口元を触るのを慣れさせる
・指で口の中を触るのを慣れさせる
・歯ブラシを口の中に入れるのを慣れさせる
間違っても強制的に歯を磨こうとしてはいけません。
無理矢理磨こうとすると、飼い主は引っかかれたり、噛みつかれたりしてケガをしますし、猫の方は警戒してますます歯磨きを嫌がるようになります。
歯周病は若い時には問題なくても、年を取って老猫になってから大きな症状が出てくるため、早めに対策をとることが欠かせません。
猫の将来のことを考えて、根気強く慣れさせていきましょう。
下痢・嘔吐
食欲不振とあわせて下痢や嘔吐を繰り返す場合、大きな問題を抱えている可能性が高いので動物病院で診察してもらいましょう。
胃炎や腸炎などを起こしていることで消化器官が正常に機能していないということも考えられますし、小さなおもちゃなどを誤飲してしまった可能性も考えられます。
単独の症状だけであれば少し様子を見てもよいかもしれませんが、食欲不振に下痢・嘔吐が組み合わさっている状態はとても危険です。
重症化を未然に防ぐためにも、気付き次第早めに動物病院に連れて行って診察してもらいましょう。
老猫になって代謝が落ちてきた
歳をとった老猫(シニア猫)は食欲不振になることがあります。
エネルギー消費の大きい筋肉が衰え、さらに運動量が低下し、1日あたりに消費するカロリーも若い成猫と比べて少なくなっています。
必要とするエネルギーも減ったことから、食事をとる間隔が伸びることがあります。
とはいえ、高齢の老猫は病気を抱えていることもめずらしくないため、少しでもおかしいなと思う事があれば動物病院へ連れて行って専門家の獣医の診察を受けるようにしましょう。
何かあれば早期発見・早期治療を行うことができますし、何も問題がなければ万々歳です。
与えているキャットフードに飽きてしまった
気分屋の猫の場合、同じキャットフードを与え続けることで飽きてしまうことがあります。
質の良いキャットフードなどでは1種類で子猫から老猫までオールステージに対応しており、それだけで一生過ごせるようにはなっていますが、やはり猫もたまには別の食べ物が食べたくなるのでしょう。
このような場合には少し気分転換になるように、期間限定で別のキャットフードに変えてみるというのも1つの手です。
お気に入りのキャットフードを2種類決めて、一定の期間ごとにローテーションで回すというのも猫に飽きがきにくくなるのでおすすめですよ。
また、嗜好性の高いおやつを頻繁にあげすぎることでも舌が肥えてしまって、おいしいと感じられる(刺激の強い)キャットフード・おやつばかり食べるようになるケースもあります。
可愛い仕草を見せておねだりされるとついついあげたくなってしまいますが、時には心を鬼にして我慢を覚えさせることも必要なのかもしれませんね。
猫の食欲を刺激して食欲不振を防ぐ方法
ここまで猫が食欲不振になってしまったときの原因・対策を見てきましたが、ここからは食欲不振を防ぐ方法について紹介したいと思います。
一度食欲不振になってから治すよりも、食欲不振になるのを予防する方が猫の身体に負担がかからないため健康にも良いですよ。
- キャットフードを温める
- ウエットフードを与える
- キャットフードの種類を定期的に変える
キャットフードを温める
簡単にできる食欲不振の予防法は、与えているキャットフードを温めるというものです。
先に紹介した通り、猫は嗅覚で食べ物が食べられるか食べられないかを判断します。
キャットフードを温めることによって、におい分子が空気中に拡散し、猫の嗅覚をより強く刺激することができますよ。
すでにあるキャットフードだけでできるので、なんだか最近食いつきが悪いな・・・と感じたときに試してみてください。
温める方法は、電子レンジを使う方法とぬるま湯をかける方法があります。
・電子レンジを使う
・ぬるま湯をかける
電子レンジを使う際には、キャットフードが熱くなりすぎていないかを確認しましょう。
基本的にはどちらでも問題ありませんが、水を飲む頻度が少なかったり、尿管結石が心配などという場合にはお湯をかけて温める方法がおすすめですよ。
ウエットフードを与える
次にお手軽にできる食欲不振を予防する方法は、ウエットフードを与えるというもの。
ウエットフードとは、ツナ缶のような水分量の多いキャットフードのことで、猫の食いつきはドライフードと段違いです。
私たち人間からしてもおいしそうな香りがするぐらいなので、猫にとっては至高のごちそうなのでしょう。
(おいしそうだからといって食べてみると塩分が薄く、やはり猫用なんだなと実感できます)
1食あたりの値が張ってしまうのが唯一のデメリットですが、猫もおいしいごはんが食べられて嬉しいですし、飼い主も食欲不振になる心配をしなくて良くなるなどいいことずくめといえるでしょう。
キャットフードの種類を定期的に変える
最後に紹介する食欲不振を予防する方法は、キャットフードの種類を定期的に変えるというもの。
質の高いキャットフードを与えていれば、栄養バランスは整っていますし健康面ではとくに問題はありません。
しかしながら、気分屋の猫の場合には1種類だと飽きがきて、食い付きが悪くなってしまうことがあります。
このような猫の飽きを防ぐためには、キャットフードは2種類与えるものを決めておいて、定期的に変えてみるという方法がおすすめですよ。
定期的に種類が入れ替わることで、きっと愛猫も毎回新鮮な気持ちでワクワクしながらキャットフード食べられるはずです。