テクロス第1回団体交渉(2018年4月19日)報告(2)

次々に変わる理由…

報告(1)に続いて、テクロス第1回団体交渉の報告(2)です。

次に会社が理由にしてきたのは、組合員が基本給の減額に応じなかったということでした。ところが、賞与減額前にはそもそも説明がなく、減額後の説明でもスキル不足やミスのことは言われましたが、基本給の減額の問題やほかの社員とのトラブルの問題には言及がありませんした。そのことを追及すると、それらは賞与減額の理由から外されました。再三理由が変わるので、組合として確認したところ最終的に会社説明は ①スキル不足によるミスの不改善 ②給与減額に応じなかった ということに落ち着きました。
組合は ①については次回再検証するとして ②は給与減額の代替措置として賞与の減額が行われており、これは労働条件の一方的な不利益変更であることを指摘しました。会社側はゲーム業界の情勢から賞与の増減が大きいことや貢献度に応じた賞与の格差をつけることが必要である旨を主張しましたが、組合としてはそれにしても賞与1万円は金額が低すぎ、社会相当性に反すること、また、組合員の賞与に表れているものは「頑張った人に相応の待遇」といったものではなく、懲罰的な意味合いが強い、これではむしろやる気をなくすと指摘しました。これについて会社からの反論はありませんでした。(次回に続く)

テクロス第1回団体交渉(2018年4月19日)報告(1)

どうして賞与が少なかったの?

4月19日、組合と株式会社テクロスとの初めての団体交渉が開かれました。
主な議題は2つ。1つは組合員の賞与の金額が低すぎるのではないかという問題。もう一つが社内での組合の宣伝活動です。
賞与を巡っては、会社は縷々理由を説明してきました。まず、組合員のミスが多かったことを言ってきました。組合はほかの社員の方と比較して組合員のミスが多かった、ないし重大であったのかを聞きましたが、会社はそれを説明できるデータを持ち込んでおらず、次回団体交渉で再検証することになりました。
次に会社は組合員のコミュニケーション上の問題があったことを理由としてあげました。しかし、具体的に内容について確認していったところ、一方的に組合員のだけのせいにされるのはおかしいのではないかという話になり、組合員だけのせいとは考えないと回答されました。
(次回に続く)

ユニオンぼちぼちテクロス分会、活動開始

これまで株式会社テクロス(ソーシャルゲームの開発・運用が主な業務)には、労働組合がありませんでしたが、2018年3月に、社員一人(以下、組合員Kと略)がユニオンぼちぼちに加入し、4月より活動を開始ました。

2018年1月支給賞与が、極端に少額だったことが、組合員Kの組合加入の契機となりました。
4月に組合加入通知書及び団体交渉申入書を提出し、4月、5月と2回団体交渉がもたれました。
この過程で、テクロスの社員がもう一人ぼちぼちに加入することになり、ぼちぼちテクロス分会が立ち上がりました。

テクロス社は団体交渉には応じ、人事のメンバー2名が出席しました。
しかし、交渉の場で、例年及び他の社員と比較して、賞与が極端に少額となった支給基準を示すことはできなかったにもかかわらず、第2回の団体交渉の場で、支給額の見直しをすることを拒否し、交渉の余地はないという態度を示しました。
このため、組合としては、労働委員会に申し立てを行う方向で準備に入り、現在手続きを進めています。

テクロス社は、この2~3年で会社が急成長する中で、いろいろと歪みも出てきており、基本給の減額が横行したり、副業禁止規定を強める就業規則の改訂が試みられたり(労働者の過半数代表が選出できなかったため、現在は保留状態)、この3月・4月だけで10名前後の社員が退職したりするなど、いろいろと問題が噴出しています。
この中で個人成果主義が強まる傾向にあり、チームとしてよいものを作り、消費者にサービスを提供するということよりも、与えられた仕事を他の社員よりも多くこなすことに仕事の重点がおかれるようになっていると感じます。
これは結局、社員の働き甲斐を損ない、その結果、長期的に見て生産性が下がることになると思うのですが、経営陣はそのことが理解できないようです。

テクロス分会としては、経営者やリーダーからの一方通行的な働き方(働かせ方)から、社員の創意と協調によって、よい物作りができる職場環境へと変えていきたいと考えています。
分会メンバーは組合の経験がほとんどなく、まだ歩き始めたばかりですが、執行委員の皆さんや他の組合員の方々に協力いただき、経験を共有しながら、成長していきたいと思っております。

今後も、この場で、継続的に活動状況を報告していきます。
感想、意見など、ぜひお寄せください(コメントは、とくに「公開希望」と書かれていない限り、公開しません)。