"周波数特性で見る"イヤホン特集!

応用編

入門編では、エントリーモデルからミドルクラスといわれるようなモデルの周波数特性を
MH334と比較してご覧いただいた。
応用編では、各メーカーの技術の粋を集約させ、
研究に何年も費やしたフラッグシップモデルの周波数特性をご覧いただこう。

応用編

入門編では、エントリーモデルから
ミドルクラスといわれるようなモデルの周波数特性を
MH334と比較してご覧いただいた。
応用編では、各メーカーの技術の粋を集約させ、
研究に何年も費やした
フラッグシップモデルの周波数特性をご覧いただこう。

選定機種selection model

    • SHURESE846

      価格¥107,780-

    • 考察

      2015年に発売となったSEシリーズフラッグシップ機。ウーファー用のBAドライバーにアコースティックなローパスフィルタを搭載し、中高域を減衰させ低域だけを音導管から出す変わった仕組みを搭載したことが発売当初話題となった。周波数を見てみるとMH334と比較すると少しV字シェイプだが非常になだらかなフラットで突出したピークは見当たらない。8kHz付近から落ち着いたグラフとなっているが、付属するイヤーピースがウレタン素材だからこうなっているともいえる。シリコン素材のものに変えることによって伸びしろもあるだろう。

    • SENNHEISERIE 800 S

      価格¥116,640-

    • 考察

      ダイナミック型イヤホンの王者として長らく君臨していたIE800。 その後継機として2017の末に満を持して登場したのがこのIE800Sだ。 1~2kHzにかけてやや山なりとなり中高域の臨場感は出しつつも、2~4kHzを抑え聴き疲れしにくいような印象。 高域の伸びも流石ダイナミックフルレンジの為せる技といえるだろう。 5~10kHzは1kHz刻みで8dB上下する変化が見えているが、フラットとは違う味付けのような部分がここにあるのではないだろうか。 装着感による変化が大きいIE800Sは大きく印象も変わるかもしれないが、ここは一つのパターンとして捉えて欲しい。

    • Campfire Audio ANDROMEDA

      価格¥139,640-

    • 考察

      この価格帯では空前の大ヒットとなったCampfire AudioのANDROMEDA。組み立ては熟練された職人たちによって手作業で行われており、長らく品切れ状態が続いたのも記憶に新しい。4kHz~9kHzにかけて8dB持ち上がっており、艶やかで濃厚なサウンドを表現している。20kHz付近でも60dB出ているため、伸びやかで余韻たっぷりなのも頷ける。

    • Ultimate EarsUE Pro Reference Remastered

      価格¥129,800-

    • 考察

      スタッフからの人気が非常に高い通称RRは130Hzまでほぼ一直線。1kHz~3kHzのなだらかな山なりのカーブはUE900Sと共通しており、よりボーカルの芯が太く出ている。8kHz手前で約5dB落ちて、直前で高域を伸びやかにしているといえる。一旦ユニバーサル版は販売を停止しているが、IPX端子に切り替わったモデルで再登場の予定をしているとのことだ。

    • Unique MelodyMAVERICK II

      価格¥148,600-

    • 考察

      今回検証した中では唯一のハイブリッド型となるMavarickII。ミックスウェーブの宮永氏がチューニングを行ったモデルとして非常に人気の高かったMaverickのニ世代目だ。一聴してハイブリッド型イヤホンだと感じさせないような『MAVERICK』だけの音というのを追求して作られている。4kHz以降が大きく波打つような非常に面白い結果に。5kHzと7kHzにピークがあるのがIE800Sと共通しているのも不思議だが、音楽的な旨味が実はここにあるのではないだろうか。

    • WESTONEWESTONE W80

      価格¥159,775-

    • 考察

      Westoneのコンシューマーライン『W』シリーズのハイエンドフラッグシップモデル、W80。それまでのフラッグシップ『W60』よりBAドライバーが2基増え、8ドライバ構成へとなったが優れた装着感はそのままなのは流石といえるだろう。ケーブルはALO Audioと共同開発を行ったものも同梱されており、同社の本気度が伺える。そんなW80、1kHz半ばと5kHz半ばにピークが来ており、いわゆるハイ上がりな印象はあるがピークはキツくない。今回の測定器では測定の範囲が20kHzまでだが、20kHzを超える高域でも安定した周波数レスポンスを実現したと謳っている機種なので機会があれば測定したいところだ。