周波数入門編

"周波数特性で見る"イヤホン特集!

入門編

それでは早速周波数特性を見ていただこう。
入門編では、いわゆるエントリークラスといわれる価格帯から定番機種を選定した。
グラフはボタンと連動しているので比較したい機種だけにも出来るようになっている。
考察はあくまで参考程度と考えていただきたい。

入門編

それでは早速周波数特性を見ていただこう。
入門編では、いわゆるエントリークラスといわれる
価格帯から定番機種を選定した。
グラフはボタンと連動しているので
比較したい機種だけにも出来るようになっている。
考察はあくまで参考程度と考えていただきたい。

選定機種selection model

    • ALPEXHSE-A1000

      価格¥1,060-

    • 考察

      元々TSUTAYAで一番売れていた格安のイヤホンをどれだけ『いい音』に出来るのか、e☆イヤホンが挑戦したのがこの製品。従来品では低域の量感が多く、抜けがあまりよくなかったところを250Hzを少しカットすることによりこもりを減らし、キックの厚みを感じやすく、ボーカルの芯を通らせるようにチューニングを施されていると周波数からも見て取れる。

    • finalE3000

      価格¥5,480-

    • 考察

      final始まってからの大ヒット作、E3000。大きく突出したピークがなく、なだらかな周波数はメーカーの謳い文句通り、中域に向けて弱V字になっているような印象。40~50Hzの間で数dB持ち上がっているのがE3000の臨場感に繋がっているのではないかと見て取れる。2kHzから4kHzにかけて5dBほど上昇させることで楽器の刺さりを抑えつつも艶や透明感の表現力を増しているように見える。

    • SHURESE215

      価格¥12,740-

    • 考察

      SHUREの大ロングベストセラーモデルSE215。 この機種をきっかけにハマった方やリケーブルを試した方も多いのではないだろうか。モニターイヤホンの大定番とだけあって、ややシェイプがキツめながらもMH334と並ぶフラットな印象。5kHzと7kHz付近でピークが来ているのを見るとリズム隊の輪郭を取りやすくしているのが見えてくる。 モニターイヤホンとして人気の理由がここにあるではないだろうか。

    • SONYMDR-EX800ST

      価格¥20,510-

    • 考察

      モニターヘッドホンの大定番『CD900ST』のサウンドをイヤホンに収めようというコンセプトに始まり、開発期間に4年をかけられたのがこのEX800ST。のちに開発者の松尾さんが立ち上げたのがJustearで、EX800STのDNAが色濃く残っている。300Hzまでの低~中低域は非常にフラット。EX800STの低域の表現力の高さがそのまま数値にも表れているといえるでしょう。600Hzから2kHzにかけてと6kHzから7kHzにかけてが山なりとなっており、CD900STにも共通するややハイに寄ったサウンドバランスが表れている。

    • Ultimate EarsUE900s

      価格¥28,030-

    • 考察

      2000年台で最も人気を博したイヤホンといっても過言ではない『TRIPLE.FI 10』を生み出したUltimate Ears。そのUEが現在ユニバーサルモデルとしてのみ販売しているイヤホンがこのUE900sだ。一番特徴的なのは他のイヤホンと比較して500~700Hz付近の変動が小さいところだろう。いわゆるかまぼこ型といわれるようなところは周波数のイメージと一致する方も多いのではないだろうか。また、7kHzにピークがあり濃厚なボーカルの中に少し『サ行の刺さり』を感じるのはここに起因しているといえるだろう。

    • qdcNEPTUNE

      価格¥30,000-

    • 考察

      中国国内のプロオーディオ市場において70%(!)を超えるカスタムIEMのシェアを得ているというqdc。日本での知名度は近年までほぼ0に等しかったのにも関わらず、精度が高いシェルと優れたフィット感、そして何よりも日本人にも好まれるサウンドチューニングからこのNeptuneは爆発的なヒット作となった。2kHzと5kHzにピークがあるも、そこまで大きなピークではなくハウジングのような透明感を演出するのに寄与している程度だろう。しかし7kHzから10kHzにかけて約10dB落ちているのを見るとシングルBAのレンジの広さというのは難しいものがある。ここに関しては他の機種となるが、リケーブルによってどれだけ高域を伸ばすことが出来るのか、後述のリケーブル編をご覧いただきたい。