ベートーヴェンは旋律・和声・対位法・調性・管弦楽法のいずれにも傑出している訳ではない。
どれかひとつではベートーヴェンではないんだ。

彼はいいフーガを書こうとして果たせなかった。
オーケストレーションなんかひどいものさ。
彼をメロディーメーカーとは呼べない。
和声は子供でも書けるし、しまいには1つのコードが何度も繰り返しだ。

どこがいいのか?
それは形式だ。
形式は型に他ならないからつまらなくもなり得るが、
彼の曲は形式が全てだ。
次にどの音が来るかが決定的に重要なんだ。

彼の場合、常に正しい音が来ている。
まるで何が来るべきか神様に電話で訊いたみたいに。

そんな作曲家いないよ。
モーツァルトでもできない。

どう考えても次の音はそれ以外にあり得ないんだ。
それくらい完璧な形式なんだ。
(レナード・バーンスタイン)


因みに今年はバーンスタインの生誕100年です。