飲食店主らは「ケチだと思われないようなくらいには副菜を提供している」と言う。ソウル市中区のキムチチゲ店は昨年までさつま揚げのいため物やホバクチヂミなど定番の副菜を4品出していたが、最近はキムチとノリだけにしている。店主は「韓国の慣例上、副菜を完全になくすのは容易でない。単価が低い副菜に『それなりの品ぞろえ』に見せている」と言った。
副菜の衛生上の問題について不信感を抱く人が増えていることも「副菜の品数減少」に影響している。ソウル・忠正路のある定食屋ではこのところレタスサラダや生トウガラシのみそあえなどを出している。出されてすぐに食べないと傷みやすく、副菜の使い回しができないものだ。店主は「品数を減らす代わりに新鮮さを重視している」と話した。大学生のキム・ソンジンさん(25)は「たれをかけたスンドゥブ(おぼろ豆腐)のように、一度手を付けたら使い回しができない副菜だけを選んで食べている」と言った。
専門家は「副菜の品数を過度に出す習慣は料理の値段を引き上げ、生ゴミを必要以上に発生させるという側面があった」と指摘する。長安大学食品栄養学科のキム・オクソン教授は「以前は副菜の品数が多いほど高級な飲食店という認識があったが、最近は価格や衛生上の問題などが重視されている。韓国料理もこうした流れに合わせて少しずつ変わりつつある」と分析した。