先月23~28日にかけて黄檗山での違反訓練が行われた。最近はスタートで過度にけん制した時に、この“お寺行き”と呼ばれる違反訓練に行かされることが多い。正当な理由のないスタート再発走は、一発で。また、ひと月に過度けん制の重注が3つつくと“お寺行き”となるのだ。
お寺帰りで神妙に手を合わせるのは関根健太郎(26)だ。関根も先行選手の宿命でスタートで後ろ攻めにこだわったことが、黄檗山へつながった。「きつかったですね。体調は崩しませんでしたが、練習もできず、食べ物も厳しくて…」。とはいえ「心は清浄されたかな」と手を合わせていた。
ようやく競走得点が90点に乗り、これからという時の“お寺行き”…。プラスではないが、吹き飛ばす気合戦で乗り切る。3日に始まる京王閣ナイター(FⅡ)を前に、弱気なことは言っていられない。予選8Rはひたすら逃げ切りを図る。
父・幸夫はケガ後の処置が芳しくなく、先日また手術を受け入院しているそうだ。「でも元気ですよ。神奈川の選手が入れ替わりで入院してくるので、話し相手には事欠かないんです(笑い)」。苦しんでいる父を勇気付けるためにも、今期はS級点を取るしかない。
8Rの関根の奮闘の後は、この男の出番だ。吉竹尚城(23)。兄・雄城(27)の背を追い、一歩ずつ成長している。まだチャレンジをレインボーカップ3着で卒業して3場所。S級目指してもがいている。
「前回の西武園の時に、3・77から3・79にギアを変えたんです。それですごく感じが良くなりました」
ガッツあふれるファイターが、パワーでぶっ飛ばす。予選9Rは南関上位独占車券を狙いたい。
関東競輪記者会で松坂桃李似のパーマ記者と双璧を為しているイケメン記者の伸びやかで軽やかな取材を受けているのは奈良基(34)だ。奈良はロードレースで活躍し、そこからの転身だ。開催中の奈良記念(2~5日)も注目だが、ナラモトイにも注目だ。
「デビューしてから、競輪に慣れるまで少しかかりましたね。踏むところ、休むところ、いろいろと肌で感じました。そろそろピン、ピン、ピンしたいですね。ロードの時とはまったく違う環境で、賞金もある。ロードのころの稼ぎですか? ご察しください(笑い)」
奈良はチャレンジ4Rを走る。しっかりと勝ち切って3連勝を目指す。
奈良記念は落車も多く、難しいスタートとなってしまった。短走路での激闘だけに不可避の面もあるが、2日目以降はとにかく落車が少ないことを祈るのみだ。
最後に“お寺行き”の話に戻る。古くからある罰則のようだが、もはやファンのためを考えると、見直す必要があるのではないか。練習できず、粗食で調子を落としてしまう選手が多い。「罰則だから仕方ないだろう」の考え方もあるだろうが、それで迷惑をこうむるのは車券を買うファンなのだ。
前回の成績が良くても、出走表などでは“見えない”黄檗山での違反訓練で調子が読めないケースが発生する。まあ、そもそもスポーツ選手に対して行うのに適切でもないと思うし…。
競輪学校に集め、果てしなく厳しい練習をさせて強くして出すくらいの処置の方が良くはないか。もちろん「そんなのなら違反訓練にいきたい!」などという生ぬるいものではなく、厳しい管理の下、二度と違反をしてはいけないと思わせるものだ――。
この件に関しては、いろいろな意見があると思う。何はともあれ、意見を聞き、集め、検討することはしてほしい。