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12歳を強姦、妊娠させる 四川省で「留守児童」狙う事件が多発
【6月7日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)高級人民法院は5月30日、同省内の裁判所が扱った児童の権利の保護状況を発表した。
2015年1月以降、同省内で結審した児童の権利侵害に関する刑事事件は1624件で、有罪判決を受けた者は1851人に上っている。
結審した事件のうち、児童自身に危害が及んだ事件が1478件とほとんどを占めていた。また、被害を受けた児童のうち、両親が都市に出稼ぎに行き、村に残される「留守児童」と呼ばれる児童がそのほとんどを占めている。インターネットを通じて被害に巻き込まれたケースもあった。被害の内容は強姦(ごうかん)と強制わいせつがほとんどで、被害者は留守児童の中でも7~14歳の女児に集中している。
■被害は留守児童の女児に集中、チャットで近づく
四川省で結審した事件の一例を見てみると、学校や保護者は未成年者への性教育や、性犯罪被害を予防するための教育が足りていないことがよくわかる。
2017年3月に起きた事件では、12歳女児が性犯罪の被害に遭い、妊娠した。相手の男の楊被告は、チャットツールQQの中のある学校のグループチャットで被害者の女児(12)のアドレスを取得。チャットを通じて女児が祖父母と同居していることを知ると、相手が12歳の女児だという事実を知りながら性的なメッセージを送り続け、女児の家で性行為に及び、妊娠させた。女児は病院で中絶手術を受け、DNA鑑定の結果、楊被告が中絶した胎児の父親であることが確認された。
楊被告はまた同時期に、少女(14)と微信(ウィーチャット、WeChat)で知り合い、同様の手口で何度も性的なメッセージを送って会う約束を取り付け、車に乗せて強姦したほか、別の少女(16)に対してもQQを通じて知り合い、わいせつ行為に及んだ。
一審で楊被告は強姦罪と強制わいせつ罪で懲役13年6月の判決と、中絶した女児に対する経済的損失の賠償を行うよう求められた。
この事件は、留守児童が性犯罪に巻き込まれる典型的な例だ。四川省は出稼ぎに出る親が多く、農村に残された児童に対しては、保護者の目が届きにくく犯罪に巻き込まれやすい。犯罪者は、留守児童への監督・保護の目が十分に行き届いていないことを利用し、犯罪行為に及ぶ。単独犯が多いため、隠蔽(いんぺい)が容易で、最悪の事態に発展する可能性も高い。
インターネットを利用する犯罪者は、判断能力の弱い児童に対し、チャットを通して恋愛のような関係を作り上げるほか、わいせつな動画や写真を送らせて悪用し、児童を脅迫するなどして、性行為に及んでいる。(c)東方新報/AFPBB News
※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。