コラムクランプの限界を知る カーボンコラムの限界締め付け実験

カーボンのコラムといえば締め付けすぎると割れてしまう。こんなイメージがあると思います。
画像ググっても結構な画像が出てきます。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

では実際に
・どのぐらいの力を加えたら割れてしまうのか?
・割れる瞬間ってどうなるなの?
そんな疑問に答えるべく実験をしてみようと思います。

とは言ってもそんな実験でフォークごとコラムをぶっ壊せるほどお金持ちではござませんのでそこはご了承ください。m(_ _)m
ということで早速本題へ。



で早速今回犠牲になってもらうのはこちらです。
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メーカー・モデル等は伏せてさせていただきますが、様々なカット済みのコラムです。

こちらにボルトが一番頑丈そうなステムを用います。

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某メーカーにコラムの破損について聞いたときは、”ネジのが先に切れるかもです。”ということでしたのでネジが強そうなステムを選びました。
とは言ってもステムのコラムクランプの限界を超えて締め付ければ当然ボルトに負担が行きます。

ということで今回はあくまでもコラム側の強度のテストなので、ステムのクランプの限界まで終了とします。
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ステムの赤丸の部分が接触した時点で終了となります。
ここは締め付けていけばいずれ接触します。ボルトを締め込んでいく上でこの部分の接触後はボルトに負担がかかるだけでコラムを締め付けていくことはできませんので限界ということになります。

実験に使うカット済みのコラムをこの様にセットしてトルクを見ながら締め付けていきます。
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トルクレンチは30N・mにセット。
多分ここまでは持たないでしょう。

IMAG2355
安全のためにグローブ着用で実験開始です。

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トルク値を確認しながら締め付けていくというものです。

早速実験に入りましょう。


①コラムA 約20mm幅  画像右から2番目
IMAG2351
まずはこちらです。

トルクを確認しながら締め込んでいきます。。。

一定のところまでは締め付けトルクが上がっていきますが、7N・mを境にトルクが上がりづらくなります。締めこんで行く際の締め付けトルクの上がり方に異変が起きます。
コラム負けてが歪んできているのだと考えられます。

1回目の7.8N・mでは反応はありませんでしたが、トルクレンチのラチェットを巻きなおして(?)再び締め込むと今度は7.8N・mで「ペキッ、」と音がします。
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この時点、一度”ペキッ”と言っています。
見た目では変化はありませんがもうこのコラムは終わりでしょう。。。

更に締め付けていきます。

面白いことにこれ以上は締め付けてもほぼ音もありません。
いやなミシミシ音でも出るかと思いきやほぼありません。
割れたことでコラム径が狭くなってしまったことが考えられます。

結果トルクはやはり7n・m以上は上がることがあまりなくステムが接触して実験終了です。

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この状態で見てみると、先程はなかった段差が明らかに確認できます。

最初の”ペキッ”という音で割れたものが更に締め込んでいくことで段差ができるぐらいにずれた、といったとことでしょう。

コラムAの結果:割れた

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②コラムB 約12mm幅 画像一番左側

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前述のコラムAは幅が狭いから強度が弱いことが十分に考えられます。
ということで更に幅の狭いコラムBで実験してみましょう。

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セットして同様に締め付けていきます。

こちら4.15N・mでピキッと、、、早いです‥(´∀`;)
取り外して様子を見てみます。
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大きな異変はありませんが不穏な雰囲気です。。

聞き間違いか別の音でしょうか。。。
問題がなさそうなので継続します。

ちょうど5N・mぐらいで再び不穏な”ピキッチキッ”という音が、、、目に見える大きな変化はありません。

その後何事もなく7N・mを超えてテスト終了です。

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若干の線というか外側表面に”より”のような感じになりましたが、コラムAの様にばっきりとはなりませんでした。見づらいですが触るとポコッとしたような感じになりました。

その後も締め付けをしてみましたが、コラムAは実験終了後は完全に破断のような状態だと、”もう絶対に使えない感”が満載でしたが、コラムBは正直なところ使えるか使えないかは不明、といったところです。
コラムAは明らかな割れでしたが、このコラムBは外側の層がよって割れかかっている、そんな感じでした。内側は見た目上は何も変化がありませんし触っても全くわかりません。
このコラムAとコラムBの違いがカーボンの質の違いというところなんでしょうか。

コラムBの結果:表面に”より”のようなものができたが、はっきりと割れとはまでは行かなかった。(割れ始めか?)
内部は変化なし。

そしてやはりと言った感じではありますが、幅が短いと強度が低かったです。
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③コラムC 約25mm幅 画像一番左から2番目
IMAG2351

幅が広ければ強度は高いというのは自然なことだと思います。
何を隠そう(←なにも隠しませんが、)真ん中2つのコラムは同モデルのコラムです。
(コラムAは右側から2番目です。)
これが幅が広ければ強度が高くなるのか?実験です。

何も反応がないままぐんぐんトルクが上がっていきます。

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問題なく7N・mを突破。

先程は(コラムAの場合)7N・mを超えてトルクのかかり方に異変が起きましたが、今回は何も変化はありません。
普通に締め付けトルクは上がっていきます。

8N・mを超えたところでステムが限界を迎え、実験終了です。

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何も変化がありません。

その後再度締め付け、MAX9N・mまで締め付けても全く問題ありませんでした。

結果:幅が広いと強度が上がる!
たかが5mm程度の幅の差ですが、強いです。。。


④コラムD 約30mm幅 画像一番右側
IMAG2351
こちらもとくに変化はないように思えますがテストが終わったものを見るとやはり外側に”より”が出ています。
締め付けていくときは怪しい音なんかは特にでないのですが、8N・mぐらいで”より”が出てしますようでした。

しかしこちらもコラムAとは違ってコラムBのように外側には”より”が出るものの、内側の変化一切ないということでした。

その後の再締め付けでも全く問題はありませんでした。

結果:やはり幅が広いと強い、しかし表面的なダメージは有るのかもしれませんが不明です。
IMAG2361
画像で見ると若干縦に線上の”よりが”入っているのが確認できます。



▶まとめ

今回はコラムカット後のコラムを使用しての実験でした。
一番弱かったと感じたものは予想通り一番幅の狭いコラムBでしたが、コラムAのように完全な割れとはならなかったです。とはいっても一概にコラムAの素材の強度が低いということではないということは同様の素材のもの(コラムC)でも幅が広がれば強度は増している結果からもわかるかと思います。(素材としての”粘り”の問題?)
コラムB一番幅が狭くて不安はあり、不穏な音を奏でながらも外側の層が若干よったような感じになっただけでコラム内側の変化は一切ないという粘り強さを見せてくれました。
しかしだから確実に安全ということではないと思います。コラムAのように明らかな割れと言った感じではないのもカーボンの質の違いということも考えられます。

そしてやはりと言ったことではありますが、コラムC+コラムD、幅が広ければ完全な割れはなかったという結果でした。しかし8N・mを超えるとコラムの外側(表面)に”より”ができるということです。内側こそ変化はないものの、外側の極微量の変形だとしてもいいことではありません。
割れることがなかったとしても変形してしまうということでした。。

今回の結果から推測するにコラムは、、、メーカー(種類)によってぜんぜん違う!そんな結果でした。

また通常カーボンコラムにはアンカーナットというものが入っています。
詳細はこちらで↓↓↓
ロードバイクのヘッドパーツ 構造と仕組み
これは原理的には内側から圧をかけているものです。
ステムのクランプとは相対する力がかかっているものです。

今回の実験ですが、コラムには現実的ではないぐらいの不利な条件で行いました。
・ごく幅が狭い(筒としての強度が下がる要因)
・内側からの圧力となるアンカーナットなし
ですので一概に通常のコラムと全く同じということではもちろんありません。
それでもこんな不利な条件でも25mm以上あれば大きな割れにはならなかったというのが結果です。
しかし物によっては”より”のようなものがでてしまったり、かなり不安はあります。

またこんな実験をしてみると、カーボン製品にダメージがいく瞬間がわかります。
締め込んでいくことである程度カーボン製品はしなるというかゆがみます。(締め付けトルクの上昇が突然ゆるくなります。)
その限界を超えるとけして大きな音ではありません。
”ミシッ”とか”ペキッ”とか”キキッ”とかごく小さな嫌な音がする場合が多いです。
ボルトが切れるように”パキー”とかはありません、ものすごく地味な音で、手応えも嫌な感触です。
ここがカーボンの限界点ということなんだと思います。
(もちろん一概にこれだけではありません。)

やはりカーボン製品はしかるべき道具を使って、適正な数値で確実な作業を行うということで変な心配をしないですむと思いますし、それは安全につながるということだと思います。
あの”メキッ”とか”ミシッ”とか、、、嫌な感覚ですヨ。。。

ということで今回は”コラムクランプの限界を知る カーボンコラムの限界締め付け実験”そんなお話でした。


5日、、、

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