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920MHz帯を利用するアンライセンスLPWAの1つとして、2017年に突如として現れたのがソニーが独自開発したLPWA。基地局と100km以上離れていても通信できるLPWAとして注目を浴びたが、アピールポイントを遠距離“安定”通信に変えている。

 SigfoxやLoRaと同様に920MHz帯を利用するLPWAの1つとして、2017年に突如として現れたのがソニーが独自開発したLPWAである。基地局と100km以上離れていても通信できるLPWAとして注目を浴びた。しかし、現在は、ソニーのLPWAの「アピールポイントを遠距離通信から遠距離“安定”通信に変えた」(ソニーセミコンダクタソリューションズ IoTソリューション事業部 製品3部 主任技師の北園真一氏)というように、安定通信をセールスポイントとしている。例えば、通信事業者が基地局を設置して、利用者に通信回線を提供するようなビジネスモデルの場合、利用者にとって大事なのは接続性であり、遠距離通信よりも重要という認識だ注7)

注7) 通信事業者にとっては、920MHz帯を利用する他のLPWAと比べて、基地局数を少なくできる利点がある。

 同社のLPWAが向く分野は、その安定性を利用して、自動車やドローン、人などの移動体にセンサーを搭載するシステムである。

 サービスの提供方式は模索中だが、通信事業者が基地局を設置し、それを不特定多数の利用者が利用するといった形が「この方式の特徴を最も生かせる」(ソニーの北園氏)という。