2016.3.29 (火) 08:00
左が抹茶エッグワッフル、右がオリジナル・エッグワッフル(共に7ドル)
ニューヨークのチャイナタウンにこの2月オープンした「Eggloo(エッグルー)」。香港スタイルのエッグワッフルのお店で、今やInstagramやFacebook上で話題沸騰中だ。
「見てみて!このカラフルなトッピング」「かわいすぎて食べれな~い」「待った甲斐があった」……。SNS上で次々に更新される投稿。カラフルなワッフルの写真と一緒にさまざまなコメントが飛び交う。
オープンして以来、店の前にできる長蛇の列は日常の光景になっている。ニューヨークの2月といえばまだ寒さが厳しい時期だが、そんな寒空の中、平日で平均30分待ち、週末ともなると1~1時間30分待ちの行列が連日できて大騒ぎとなった。
「Eggloo」店内
予想を上回る反響にキッチンが回し切れなくなくなってしまい、設備とオペレーションの改善のために1週間ほど店を締めざるを得ない状況になったほど。そしてすべての体制を整え、再オープンしたのが3月上旬だった。
さてこの、ニューヨーカーが何時間待ってでも食べたい香港スタイル・エッグワッフルとは一体何なのか。
「香港では1950年代ぐらいからあるストリートフードだよ」と説明してくれたのは、Egglooの共同オーナー、マイク・タンさん。香港スタイル・エッグワッフルの起源は諸説あるようだが、マイクさんによると「ひびが割れて売り物にならなくなった卵を使うようになったのが始まり」とのこと。
見た目は通常のワッフルと違い、ボコボコしたタコ焼きっぽいセル(コブ)がいくつもついていてなんとなく愛嬌がある。その中にアイスクリームやソフトクリームが挟まれ、かわいくカラフルにトッピングされてある。
マイクさんはチャイナタウンで生まれ育った香港系アメリカ人3世で、子供のころ近所でカート売りされているプレーンのエッグワッフルを、お母さんと一緒に並んでおやつによく食べたという。
大人になって香港を訪れたときに食べたエッグワッフルが忘れられず、昨年10月にマンハッタンのダウンタウンで行われたストリートフェアでエッグワッフル店を出したところ大当たり。これはお店をやるしかないと、仲間2人と一緒にこのEgglooをオープンした。
早速、人気のオリジナル味と抹茶味の2種類(各7ドル)を作ってもらった。
オリジナル味
抹茶味
「皮をちぎりながら食べてもいいんだよ」とマイクさん。外側カリカリ、内側はふっくらしている。ほのかに甘みがついており、アイスクリームをつけなくても充分おいしい。
カラフルなトッピングはイチゴやブルーベリー、餅、スライスアーモンド、ポッキー、オレオクッキー、ホイップクリームなど豊富にそろい、驚くことに“トッピングし放題”。
アイスなどが入らないプレーンのエッグワッフル(3ドル50セント)もあるけれど、せっかくなら中にアイスクリームかソフトクリームを挟んで、好きなトッピングでカラフルに“やりたい放題”デコレーションするのが見た目にも楽しいはず。
また、スウィーツが苦手な人には、ピザ、チャイニーズソーセージなどの「セイバリー」(5ドル)もいいだろう。
ちなみにこのタコ焼き風エッグワッフルは、Egglooだけの話題ではない。同じくチャイナタウンにある「Sam's Spring Roll(サムズ・スプリングロール)」では、去る2月19日と20日、エッグワッフル・タコと称したポップアップを2日間のみ限定オープンしたところ、3時間待ちの行列ができた。
ちなみ、こちらで販売されたのはにタコという名がついている通り、メキシコのタコス風エッグワッフルだった。
また著名アメリカ人シェフ、Chris Santos(クリス・サントス)が1月にオープンしたローワーイーストサイドの話題のタパス料理店「Vandal」でも、このタコ焼き風エッグワッフルがいち早くタパスメニューの一部に取り入れられ、こちらも話題に。
タコ焼き風エッグワッフルが今後、ニューヨークを席巻する可能性は十分に高そうだ。
(文:安部かすみ from ニューヨーク)
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■店舗情報
「Eggloo」
Eggloo公式Facebook
Eggloo公式Instagram
「Sam's Spring Roll」
「Vandal」
■取材国:アメリカ
安部かすみ(あべ・かすみ)
2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。
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