インスタ投稿だけで急成長したファッションブランド「#FR2」。 仕掛け人・石川涼が見据える先
同ブランドの主戦場は、なんとInstagram。公式アカウント「@fxxkingrabbits」には、商品や店舗の写真などはほとんどなく、「#FR2」のアイテムを身にまとったセクシーな女性の写真がずらり。
なぜ主戦場をファッション雑誌ではなく、Instagramにしたのか、セクシーな女のコたちの正体は……? 仕掛け人である株式会社せーの石川涼氏に話を聞いた。
◆洋服のみならずマンガを展開予定!?
――そもそもウサギの被り物をするようになったのはなぜですか?
石川:「この人なんだろう?」とか「どうしてマスク被ってるんだろう?」とか興味を持ってもらえるんですよ。仮面ライダーや覆面レスラーを見るような感覚ですね。だから、#FR2の取材を受けるときは、一切顔を出さないようにしてます。ウサギの中身は僕……なのかどうかはうやむやにしてください(笑)。
――今後、このキャラクターをどのように打ち出していく予定ですか?
石川:最近は、マンガを描いてもらってます。なぜなら、#FR2は海外での人気に目を向けているから。去年の2月に#FR2のグローバルEC(オンラインストアの外国語版)を開始して、1年で130カ国からオーダーが来るようになりました。マンガのコンテンツを入れると、海外の人へ一気に伝わりやすくなると思うんです。
――どのような物語を展開していく予定なのでしょうか?
石川:主人公はうさぎのカメラマン。うさぎのカメラマンが撮った写真で事件が解決する、というヒーロー要素を入れようと思っていますね。想定している反響があれば、そこからもっと膨らませて、ライカのカメラを持っているうさぎのカメラマンのフィギュアとかを作れたらいいですね。
◆業界の動向よりも消費者を優先した
――#FR2のInstagramアカウントでは、いろんな女のコの写真が載ってますが、応募はどれくらいくるんですか?
石川:めっちゃくる。世界中から毎日DMがきてますね。おっぱいが写っている写真や男性とSEXしている写真とか送られてくる(笑)。「わたしはとにかく出たい!」「わたしを見て」というコがたくさんいるんですよ。プロのモデルも、素人のコもきますね。
――羨ましい話ですね……。
石川:最初は、知り合いの女のコに「お尻貸してよ~」ってお願いして撮らせてもらってたんだけどね(笑)。
――モデルとして美女を引き寄せられる理由はなんでしょうか。
石川:撮り続けることが大事ですよね。前例があると、「わたしもこういう風に撮ってもらえるんだ」って思ってもらえるからよかったんじゃないかな。
――最初からInstagramのみでの発信ですか?
石川:最初からInstagramだけ。だから広告費はゼロなんだよね。それこそ、ギャル・ギャル男ブーム全盛期の10年前は、ファッション誌に「VANQUISH」の広告費を何千万も使ってました。でも、少しずつ雑誌の売り上げが下がっているのは感じていて。だから、2010年頃から紙媒体への広告は撤退しました。当時、みんなまだ雑誌の影響力があると言っていたけど、引いたんです。消費者はもう読んでいないな、と思ったんですよね。
――業界の動向よりも、消費者の動きを優先したんですよね。
石川:iPhoneが出てから、世間は圧倒的にスマホを見ている時間が長いと気づいたんです。でも世の中は、頑なに移行しようとしてなかったですね。