らくらくメルカリ便が難敵だった
カウンターでのレジ打ちの隙間時間はファストフードの需要が高まっているため、常に何かを揚げている状態である。
また、セブン-イレブンでのアルバイトではコンビニコーヒーの販売が多いため、豆の追加対応が高頻度で必要だったりする。
宅配便はらくらくメルカリ便など通常と違う受付などもあり、最初の受付対応ではかなり手間取ってしまった。過去からあるがゴルフ宅配便なども、たまにしかアルバイトをしない筆者には難敵だ。
決済も、チェーンによってはポイントカードの提示が必須で、決済方法もクレジットカード・電子マネー・バーコード決済とあり、また組み合わせの支払いなどもあるため、現金決済だけだったときと比べると複雑なため、慣れるまでに時間がかかる。
20年前は弁当には必ず箸がベタ付けされていたが、今はレジ渡しとなっている。またアイスのスプーンだけでなく、デザートのスプーンや紙のお手拭きなども増え、ファストフードのケチャップやマスタード・ソースなど合わせると商品とともに別添物の種類が過去の2倍以上となっている。
最近は検品業務をしない店舗もある
カウンターでの業務が売上げと比例して増えているため、品出しや前進立体陳列など売場のメンテナンスに割く時間が減り、乱れた売場が多くなっていっているのも現状として見逃せない。
カウンターでの接客業務を重視する方針は顕著で商品納品時に検品を行っていない店舗もあり、昔のオペレーションでは考えられない状況となっている。
検品を実施していないオーナーに話を聞くと、
「コンビニ配送の欠品率は0.01%以下のため、検品や欠品作業に時間を取られるなら無検品対応の方が接客に時間を取るなど他の業務に振り分けられる。ただし、山崎製パンは時折欠品が発生するため、唯一検品を行っている」と非常に効率的でロジカルなオペレーションの理由を語ってくれた。
外国人留学生のアルバイトに尊敬の念
また、コンビニから売上げだけではなく、アルバイトの募集でも手強いライバルとなっているのが、まいばすけっとやminiピアゴなどのミニスーパーだ。
ミニスーパーではレジ打ちや品出しなどの作業がメイン業務となり、複雑な業務が少ない。それでいて時給がコンビニとほぼ同じのため、主婦のアルバイト先としてコンビニよりも人気となっている。
人出不足改善のめどが立たない中、都市部を中心に外国人留学生のアルバイトの雇用がコンビニアルバイトの命綱となっている場合も多いのも、ここのところの傾向だ。
筆者自身が言語の通じない他国で複雑なオペレーションをするのは不可能に近く、外国人留学生のアルバイトのオペレーションには尊敬の念を抱かざるを得ない。今後の東京五輪に向けて、訪日外国人が年間4000万人来る状況にも大変、力を発揮しそうだ。
働きやすい職場環境のヒントが見つかる
コンビニ店舗を巡回すると、経営的な観点でアルバイトを減らしている場合もあるが、
アルバイトが常に不足している店舗と常に充足している店舗がはっきり二分されている。
コンビニアルバイトは時給的なハンディはあるが、近隣で気軽に働けるというメリットもある。
何といってもアルバイトが充足している店舗を観察すると、あいさつを中心とする接客も良く、従業員同士のコミュニケーションが円滑である場合がほとんどだ。
今後、さまざまな仕事で人手不足の問題を抱える職場が増えていくのは間違いない。人手不足問題を抱えている企業は、優良コンビニの職場を見ると働きやすい職場環境など打開策のヒントが見つかるので、参考にするのも一つの手かもしれない。