犯罪被害者に多方面からの支援を

犯罪被害者やその家族への支援について考える会議が京都市で開かれ、息子を殺害された男性が悲しみと混乱の中にある遺族には警察や行政、それに支援団体など多方面からの支えが必要だと訴えました。

京都市上京区で開かれた会議には、警察や行政の担当者や被害者支援団体の関係者などおよそ130人が集まりました。
この中で「全国被害者支援ネットワーク」の理事長で、22年前、中国で旅行中だった大学生の息子を殺害された平井紀夫さんが講演しました。
平井さんは、「息子が殺害されたと知って全身が熱くなり、一睡もできず何も食べられない日が続いた。一方的に人生を変えられた遺族が生活を送るには多くの人の支援が重要だ」と話しました。
このあと、かつて性的暴行の被害に遭ったミュージシャンの早川恵子さんのトークライブが行われました。
早川さんは「絶望や孤独で心がつぶれそうになり、自分にすきがあったのではと自分を責めてしまった。そんな時、『あなたは悪くない』という友人の言葉に支えられた」と話し、被害者を孤独にさせないことが重要だと訴えました。
そして、当時の経験や思いをもとに作った曲「STAND」を披露しました。
会議に参加した女性警察官は、「当事者の思いを聞き、一番最初に被害者に接する警察官として、より一層、言葉の選び方や行動を考えないといけないと感じた」と話していました。