――漁獲から販売までのトレーサビリティは全て把握できますか?
養殖魚と天然魚は違うのですが、養殖魚は農産物や畜産物と同じなので、全て管理できると思います。そういうシステムを取り入れています。
天然魚は必ず船籍までたどり着けます。産地直送の商品であればどの船がどのタイミングでどの海域で獲ったかまで全て把握しています。
――どうやって把握しているのですか?
システムがかなり進んでいて、今(午後2時ごろ)の段階で明日、どの港にどの魚が何トン揚がるかが分かるようになっています。そこにどの船でどんな漁法で獲ったのかが分かるシステムを入れています。画期的ですよね。ここ3年ほどでそこまでたどり着きました。
――全ての魚介類を把握されている?
全てというと語弊がありますが、ほぼ分かります。
――残っている課題はありますか?
今のところないと思っています。
――国内からと海外からの仕入れに違いはありますか?
日本の漁業は漁法も魚種も多種多様なのですが、海外は単一魚種が多いので海外の方が明らかに分かりやすいです。

例えば日本人に好まれるノルウェーのサバです。ノルウェーでは船によって(漁獲可能な)トン数が割り当てられています。例えば「あなたの船は年間1000トンです」と割り当てが来たら、その1000トンの中でトップシーズンの、脂がのっていて高値で売れる商品しか獲りませんよね。だから海外の商品は品質がいいのです。
一方、日本だと枠はあるのですがどの船が獲ってもよく、獲ったもの勝ちになってしまいます。サバであれば小さいうちに獲って安く海外に輸出するか、養殖の餌にしてしまうのです。それで資源がなくなってしまう。本当はちょっと我慢してハイシーズンに獲るようにしたらおいしさも認められると思うのですが。