ビジネスのαな感性に注目する「αism」。
インターンシップといえば、学生のための職業体験というイメージですが、実は今、社会人の間でも広がっています。
土曜日の午後、カジュアルな服装の大人が集まっての真剣会議。
その目的とは。
東京・品川区にある、ゲーム制作会社「アカツキ」。
モバイルゲームやデジタル卓球などを手がけてきた会社。
ある土曜日の午後。
社内では、何やら話し合いをしている人たちが。
ホワイトボードには、たくさんの書き込み。
デスクの上には大量の付箋。
休日返上の会議かと思いきや、実は彼ら、アカツキの社員ではない。
男性は「(普段はどういう仕事?)コンサルティング会社で勤務しています」と話し、女性は「IT業界です」と話した。
プロダクトマネジメントの男性(34)は「今、6年くらい働いていて、どんどん外の環境も見てみたいなと思って」と話した。
彼らは普段は別の会社で働き、ほかの業種の仕事を経験しにきた、いわゆる「社会人インターン」。
この取り組み、リクルートキャリアが企業と参加者を仲介して企画したもの。
参加者は、こうした催しに無料で参加できる。
この日は、アカツキの「ゲーム開発のプロセスを考える」というテーマ。
参加者は、「どういう生活リズム、どういうシチュエーションでゲームをするかとか、画面遷移はどう変えたらいいかとか、デザインはどう変えたらいいかを考えたらどうか」、「失敗する要因は、われわれが普段エスアイヤーとしてやっているのと似ているなと」、「前提は同じだと思う」などと議論を交わした。
彼らは一体なぜ、社会人インターンに参加するのだろうか。
金融コンサルタントの男性(30)は「ほかの業界でも役立つスキルなのか確かめたくて来た」と話し、IT関係の女性(29)は「会社見学ではなく、会社の若干中に入って、一緒に参加型というのはあまりない、いい機会」、システムインテグレーターの男性(31)は「将来的にはこっちの分野に行きたい。まだ具体的に動き出してはいないが、経験としてこういったところから積めれば」などと話した。
実は今、別の会社を知り、スキルを磨きたいという人たちが増えているという。
リクルートキャリア・古賀敏幹さんは「1つの会社に限らずに活動の場を広げていくことが、個人の成長にもつながったり、視野を広げたり、自分の可能性を広げる、そういうところを背景として、ニーズがどんどん高まっているのでは」と語った。
社会人インターンを体験したい登録者は、リクルートキャリアだけでも、およそ3万人。
受け入れ企業も大手企業など、40社にのぼるという。
社会人インターンを受け入れる企業にも、メリットがあるという。
アカツキ モバイルゲーム事業担当・戸塚佑貴執行役は「ゲームが今後、世界に打って出ていくためには、さまざまな日本のさまざまなプロフェッショナルの方と、協調する必要がある。もっと幅を広げていかないと、エンタメ全体の発展につながっていかない。いろんな人材と出会いたいと思っている」語った。
人生100年時代。
社会人インターンは、スキルアップだけではなく、企業そのものも成長させてくれそう。