2018-06-04

ファミマのフラッペ飲んで泣いた話

クライアント企業わがままに付き合って労働をしていた結果、土/日/月と会社缶詰になっていた。

豊洲の綺麗な夜景を照らす蛍族としての活動が終わり、ようやく家に帰れることになった。

いっときの開放感にワクワクするものの、このワクワク感を共有していた友達も今では少なくなってしまった。

具体的には他の企業に連れ去られたり、良さそうなベンチャー企業に逃げ込んだり、実家に帰って農家をしたりするようになってしまった。

こういう時に思考は良くない方向に転がり込むもので、ファミマ晩ご飯を選びながら

夏の日の思い出とか、そういうふんわりとした言葉にならないノスタルジック気持ちでいっぱいになっていた。

しかし、よくよく考えると、夏の日の思い出とか甘酸っぱいエピソードとかそういうのは何一つ無いし、

サークル合宿だのBBQをやっても後片付けばかりしていたし、未だに好きな女の子と手をつないだこともない。

「良かった」と振り返るだけの青春自分の手元には残ってはいない。

となると、クライアント企業様にExcelを納品するために生まれてきたのか俺は...?

などと考えているうちに「あっ、もうだめ」と思った。

つらい気持ちときアイスを食べよう。

デブ特権としてアイスクリームコーナーに向かうと、なんとなく"ギャラクティカグレープフラッペ"の文字が目に入った。

2018年宇宙の味と書かれたそのタイトルを見ながら、そういえば、宇宙に関わる学問自分が専攻していたことを思い出した。

リー群表現だの共形場の理論だのAnti-de Sitter空間を触っても宇宙のことは何一つ分からなかった。

「よくよく考えても分からないことがある」という事が分かりました。 という感覚のまま大学卒業して、

「よくよく分からないままExcelを納品する日々」が始まる。

俺は宇宙のことを何一つ分からないまま、何を生み出すかも分からないExcelを納品しながら日々を無意味に費やしている。

俺は気づけばギャラクティカグレープフラッペをレジに持っていっていた。

あのとき知りたかった宇宙のことが少しでも知れるかもしれない。という淡い期待をしている訳ではない。

俺はきっと変えたかったのだと思う。何も出来なかった自分を。何も出来ずにいる自分を。

Tポイントカードの有無を聞かれ、首を横にふる。

蓋を開けて、マシンボタンを押してミルクを入れる。かき混ぜる。

いざ、覚悟を決めて口にした。


宇宙の味は分からなかったが、夏の夜にちょうどいい、爽やかな味。

レモンぶどうの味。なんつーか、その、ねるねるねるねの味だね。

俺はなんだかたまらなくなって泣いてしまった。

明日からまた頑張ろう。そんな事を考える夏の夜だった。

  • anond:20180604231303

    sorabatake.jp/gn_20170514

  • anond:20180604231303

    ベンチャーは逃げ込むところじゃないぞ。本人がそう思ってたなら間抜けな勘違いだし、お前がそう思ってるなら世間知らずだ。

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