時間が作れるようになったので久しぶりに馴染みのゲーセンに行ったら、絵に描いたようなヲタサーの姫がいて、案の定、旧来からのメンバーがいいように転がされてた。
見た目の特徴も性格も姫仕草も、いわゆるヲタサーの姫そのもの。
フリフリな服を着る、かわいいものがやたらと好き、どこかおっちょこちょい、愛想が良い、妙に相手を褒める、必要以上に距離が近い、謎のボディタッチ、特別可愛いわけじゃないけど別にブスってほどでもない。
お盛んなことだねえと思いながらもちょくちょく通うようになって、メンバーともSNSでつながるようになってきたのだけど、それでわかったことがあった。
そのヲタサーの姫はすでに結婚していてそれをSNS上で全く隠す様子もなく発信し続けているということだった。
メンバーをフォローしていくほど、SNS上でもメンバーを褒めてはメンバーからさらに褒め返されるという姫活動が行われていることがわかった。
しかし、その情報には必ずと言っていいほど、セットにされるように夫との話が挟まれていた。
「夫とゲームを楽しんだ!」「夫にゲームをセットしてもらった!」みたいな調子だ。
それを見ていて、これはある種合理的かもしれないと思った。
そのことをしっかりとアピールしつつ姫活動を行えば、よけいな誤解から変な恋愛感情に巻き込まれることもなく、かつ、相手に対してもこの関係は恋愛抜きだという紳士的な関係を強いることができる。
そんな安全で絶妙な距離を保ちつつ、自尊心や自己承認欲求を満たすことができるのだ。
しかしその実、ヲタサーの花嫁からメンバーや自分に送られる言葉は、どれも誤解を招きかねない気持ちの良い響きの言葉ばかりだ。
どうやら子供はいないみたいなのだが、もしかしたらワンチャンあるかもしれないと思わせるのも、言ってみれば絶妙な距離感の一つでもある。
もし自分が夫の立場にいるなら、そんな言動はすぐにでもやめさせるだろう。
しかし、もしその夫がもともとヲタサーでゲットした相手だったとしたら、夫は姫に絶対服従であるし、姫活動に対して文句をいうなんてことはできないに違いない。
ただ、そんな結婚生活では自己承認欲求を満たすことができず、人妻という絶対防御シールドを携えて再び姫の座に舞い戻ってきたと考えれば辻褄が合わないわけではない。
今後ヲタサーの花嫁は随所で増殖する危険性がある。そんな危険から身を護るには、目だけで楽しんで必要以上に首を突っ込まないことだ。
オタサーには近寄らないのが一番やな