東芝がPC事業を売却、SHARPが買収。最終調整へ

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 日本経済新聞・ロイター通信・NHKといった複数の国内メディアは、東芝がパソコン事業「東芝クライアントソリューション」をSHARPに売却すると報じました。

 いずれの報道も売却額を50億円前後、契約締結に向け最終調整に入ったとして報じています。AIやIoTに力を入れる一環として、東芝PC事業の技術力・人材を取り込む狙いがあるとしています。

 かつて東芝は「dynabook」の製品ブランドで、ノートパソコンでもトップシェアを誇っていました。現在ではPC市場の縮小など存在感を失っています。経営不振の東芝は、事業再編を進める中で不採算事業の売却を進めており、鴻海傘下で黒字化を達成し事業拡大へのフェーズに入った好対照のSHARPと、利害が一致した形です。

 SHARPはかつて「Mebius(メビウス)」ブランドでパソコンをリリースしていましたが、8年前に撤退済み。

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 かつてのSHARPといえば、MURAMASAなどの薄型ノートPCでユーザーを魅了していました。最近の凋落著しい日本メーカーの象徴となっていたSHARPですが、鴻海傘下になってからは、ロボホンやAQUOS Rシリーズなど「挑戦的な製品」「しっかり次に続きそうな製品」が続々と登場。台湾メーカー傘下の企業となり、台湾流のスピード感ある経営となってからは自由闊達に輝かしい成長を遂げています。

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 鴻海は世界のPCメーカーからの生産受託によりPCのノウハウはあるものの、ブランドに欠けています。東芝PC事業がどのように鴻海・SHARPによって活用されるのか、楽しみです。

2018年6月5日10時28分追記:本件について本日開催予定の取締会にて審議、開示すべき事項が決定したら速やかに正式公表すると、SHARPが発表しています。