皆さん、覚えていますか。昨年六月二十二日に野党議員が臨時国会の召集を求めたことを。憲法五三条では、いずれかの議院で総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は召集を決定せねばならない。衆参両院ともこの要件を満たしていた。学校法人「加計学園」問題などを追及するためだった。
だが、安倍晋三内閣は憲法を無視するがごとく、臨時会の召集を先へ先へと延ばした。その日数、実に九十八日だった。召集は九月二十八日に実現したものの、何と質疑をしないで、冒頭で解散してしまった。
今年五月二十八日、臨時会の先送りは憲法違反だとして、沖縄の国会議員五人が那覇地裁に訴訟を起こした。要求から二十日以内に応じるべきとの確認も司法に求めている。
今、国会では加計問題で紛糾している。愛媛県から見つかった新文書が首相の関与の有無の証明になっているからだ。逆に加計学園からは「県への説明はうそだった」との趣旨のコメントも出た。学園幹部が県に謝罪に訪れた。その謝罪もうそでないのか?
「もし」があったなら…。去年に野党が求める臨時会があったなら、昨夏は国会が大紛糾していたかもしれない。一年ずれた間に、大学設置の審議会が学園の獣医学部の新設を認める答申を出し、今年四月にめでたく開学! 九十八日間もの臨時会の先延ばしこそ「加計隠し」だったのでは? (桐山桂一)
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