【パリ=白石透冴】イタリア大手銀行のウニクレディトがフランス大手銀ソシエテ・ジェネラルとの合併を検討していることが4日、分かった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。米銀と比べ収益力の伸び悩みが指摘されるなか、規模の拡大で生き残りを図る。
ウニクレディトのジャンピエール・ムスティエ最高経営責任者(CEO)が統合に意欲的だという。ソシエテ・ジェネラルにとっては、イタリアとドイツでの企業融資部門などで足場強化につながる。ただ、ソシエテ・ジェネラルは3日「ウニクレディトとの統合の可能性を巡るいかなる経営会議」もないと否定している。
ウニクレディトとソシエテ・ジェネラルの合併については、具体的な方法や時期は明らかになっていない。ウニクレディトは不良債権処理に絡む経営再建が19年半ばまで続くとみられている。両者による検討は少なくとも今後1年は続く見通しだ。ムスティエ氏は2017年に独コメルツ銀行にも統合を持ちかけたが、破談に終わったという。
デジタル部門の投資などで存在感を強める米銀に対抗するため、ユーロ圏の大手銀間の合併はかねて欧銀関係者の間で議論されてきた。ただイタリアで大衆迎合主義(ポピュリズム)政党と極右政党の連立政権が誕生することもあって、議論は遅れている。