http://www.jwstudy.com/docs/study_hours_per_baptism/
誰も興味がないだろうけれども。
エホバの証人がやたら来るのは、一ヶ月にどのくらい伝道活動をしたかを報告するシステムがあるから。
日本人はこの数字上げに関して世界一熱を入れている。他国の信者が驚くくらい。
互いに愛し合うことより数字入れることの方がわかりやすいし、記録として張り合いやすいからかな。
組織は誰が何月に何時間伝道していたかという記録を過去何年分も遡って記録している。
伝道時間とは、エホバの証人じゃない人間にエホバの証人の教義を伝えるためにかけた時間を指す。
正規の伝道者になったら最低一ヶ月1時間は伝道活動を報告しないと「不活発」ということで、頭数から除外される。
どんなに熱心に聖書を読んでいようか、仲間の信者を助けるために奔走していようが、伝道してないとダメ。
「奉仕活動」と呼ばれているんだけど、地域ボランティアや被災地支援、介護なんかは含まれない。
そんなわけで現役エホバの証人として神に、そして仲間に受け入れられたかったら伝道は欠かせない。
この伝道時間というのは実質信者の格付けランキングになっていて、時間が多い人ほど重んじられる傾向にある。
伝道時間により伝道者、補助開拓者、開拓者、特別開拓者、宣教者というクラス分けがあるんだけど
海老名市にあるものみの塔聖書冊子教会日本支部、通称海老名ベテルの精鋭に選ばれた場合
何歳から何年間開拓奉仕をして来たかで、休みの日も違えば割り当てられる部屋も違う。
まず家を訪ねる場合、伝道開始した最初の家を訪ねた時間から、最後の家を訪ねた時間までを計算する。
途中道ばたで喋っていたり、移動したりする時間をどの程度記録に入れるかは個人の裁量に任される。
また手紙やメール、電話の場合は手紙を書き始めてから書き終えるまでを数える。
さて、補助開拓者から宣教者までは伝道時間のノルマがあるから1時間でも多く伝道したい。
特に月末・年度末は切羽詰まって、勢い質より量になる。
そのため伝道時間の「経費」とみなされる活動に自ずと力が入る。これを「時間を入れる」という。
遠くの家と遠くの家をピンポイントで訪ねてみたり、同僚に唐突に聖書の話をしてみたり
エホバの証人でない親族や友人知人にご機嫌伺いの手紙を書いて、最後にちょろっと聖書の言葉を書いたり
すごい人になると、一回家に帰って小一時間くつろいで、それも「休憩時間」とみなしてしまう。
そんなわけでエホバの証人は聖書の話を聞いてくれる・断らない相手にしがみつく。
聖書研究を始めた途端にいろんなエホバの証人が何かと話しかけてきたり、手紙を寄越したりするのもそのせい。
同じ相手に話しかけると「再訪問」という別枠のカウントも入り、これも熱心さの目安とされる。
もちろん出版物を提供したり、聖書研究を司会したらそれも件数でカウントされる。
こういう数字がいいメンバーは集会や大会で「模範的な伝道者」として賞賛される。
どれだけ長年熱心に仲間を支援していても、信者でない人を隣人として愛してきても
布教の成果が出て相手がエホバの証人になると、そこから数字はカウントされなくなる。
もちろん「時間が入らなくなる」ので、難癖つけて献身を渋るような本末転倒な事態も起きる。
(そして献身した後は「奉仕が忙しいから」とアフターケアをしなくなる。)
ブルックリン本部の出版部から来た人が「聖書通読をしましょう」という講演で
「日本は数字を出すのが好き。もしも聖書通読の数字を報告することになったら、年間1000時間とかすごい人が出るだろう」
と言っていたが、その通りだと思う。
日本のエホバの証人は他国と比べてとりわけ熱心に伝道活動をしているわけではない。
ただ数字を上げることへの熱中度は群を抜いている。
ちなみにどれだけ寄付したかは発表されないので、寄付への熱意はかなり低い。
施設維持費として最低いくらかかるかは明確にされており、簡単に計算できるけど、しょっちゅう赤字。