国土交通省は、介護や育児の負担を軽減するため、高齢者や赤ちゃんが使った紙おむつを下水道に流して処理するための実証実験を2018年度から始める。
使用済み紙おむつを専用の破砕機で細かく砕いて下水道に流すために必要な技術や制度を検討し、22年度をめどにシステム導入の可否を判断。紙おむつの下水道への受け入れが可能な場合には、下水道管理者である自治体がシステムを導入するためのガイドラインを作成する。
3月13日に開いた「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」(座長:森田弘昭・日本大学教授)で、紙おむつの処理方法や検討課題、今後のスケジュールを提示した。
使用済み紙おむつについては、ごみ回収日まで家庭内に保管する際の衛生上の問題や、高齢者介護施設で病原菌の感染を防ぐための管理上の問題がかねて指摘されていた。下水道に流して処理できれば、保管や処理の負担を軽減することができる。建設会社や住宅会社、大学、行政機関などに勤める女性らでつくる「下水道・LIFE・えんじん研究会」が16年12月にシステムを提案した。
これを受け、国交省も検討に着手。17年8月に「新下水道ビジョン加速戦略」をまとめ、国内の人口減少に伴って生じる管きょや処理場の余裕能力を活用して、下水道への紙おむつの受け入れ可能性を検討することを重要施策として掲げた。
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