太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス
- 作者: オリヴィア・コスキー,ジェイナ・グルセヴィッチ,露久保由美子
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2018/02/27
- メディア: 単行本
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いい。めちゃくちゃいい。
今のところ今年読んだ本の中で、ベストオブ「本棚に置いておきたい一冊」
水金火木土天海(冥)の太陽系の惑星それぞれに「旅行するとしたらどんな方法で、そしてその惑星はどんな環境で、どんな観光名所がありますよ」という、とてもとても前衛的な本。
仮に木星に旅行したら…いや、木星ってガス惑星でしょ?仮に行ったとしてどうするの?という疑問も、その惑星環境にあわせた「軌道上から眺めるのを楽しむ」などの方法で
惑星ごとのアクティビティーと称して、例えば低重力下の惑星なら翼を装備して自力で飛んでみましょうとか、観光名所なる大きなクレーター(どれもこれもちゃんと名称がある)を巡ってみましょうなど、「地球の歩き方」的な観光読本らしさが強いところも面白い。
個人的に強い魅力を感じたのは、土星旅行。
ご存知の通り、土星には巨大な輪がある。当然ながらこの輪も観光スポットとして訪れるためのアドバイスがあり、「土星の輪は、厚さ100メートル程度なので、真横からではなく上から眺めることをお勧めします」という見方から、「土星の輪からじかに手に入れた氷で宇宙カクテルのロックを堪能しましょう!」というマジでありそうだしなんならそれ本当に飲みたいわっていうおススメ案内まであってとにかく面白い。
また、惑星観光といってもただ惑星のみをターゲットにしていない。例えば木星のガリレオ四大衛星についても、それぞれしっかりした観光案内がある。ガス惑星で降り立つのも困難な木星よりも、衛星に行ったほうが楽しそうなくらいだ。
土星にも衛星はあり、その中でも「タイタン」は地球以外のビーチリゾートを探しているなら最良の選択肢となるらしい。ただし、環境は南極探検のような状況だが…
また、タイタンは大気が濃密で、重力も弱いために「フリスビー投げ」や「ウイングスーツでの飛行」なんかも楽しいアクティビティとなるそうだ。ここまで読んだらもう、土星観光→土星の輪で宇宙カクテル堪能→タイタンでアクティビティという旅行プランを考えざるを得ない。さらには『スター・ウォーズ』の『デス・スター』そっくりの衛星「ミマス」まであるときたら、もう僕にとっての最初の太陽系観光は土星以外考えられなくなってしまった。
とにかくすべての惑星において観光への行きかた、楽しみかたがびっしりと網羅されており、しっかりした科学的知見も広がる。
面白くて、美しい写真も多いので、本棚の取りやすい位置に置いておいて、暇な時にパラパラ読み返したくなる魅力がある。
そういう意味で、ここ最近のベストオブ「本棚に置いておきたい一冊」だった。