Amazonで商品を探す時にレビュー評価を参考にしている人は多いと思います。聞いたことがないメーカーの商品でも「レビュー数が多い」「平均で星4~5」であれば思わず「買っても大丈夫かな」という気持ちになってしまうのではないでしょうか。
しかしながら、レビュー数と高評価を両立するのは決して簡単なことではありません。
Amazonに出品する事業者、特に新規事業者はそもそも知名度が低いためレビューの数を獲得するだけでも大変です。その上で、高い品質やコストパフォーマンスが前提となってくる高評価を維持するとなれば、その難易度はグッと上がってくるはずなのです。
本来であれば地道に販売実績と信頼を積み上げながら、ブランド力と知名度を高めていくべきなのですが、それを表面上とはいえ手っ取り早く手に入れる方法が存在するのです。それが「やらせレビュー」です。ひと昔前に流行った「ステマ」と同じです。
この方法を使うと、新規事業者が喉から手が出るほど欲しい「ベストセラーマーク」「レビュー数」「星5評価」を一気に獲得することができてしまうのです。米国Amazonでは問題視され規制が強化されていますが、日本ではまだ対策が追い付いていないというのが現状のようです。
今回、そのやらせレビューがどのような流れで行われているのか、またそういったレビューの見分け方について書いてみたいと思います。Amazonをよく利用している人は商品を買う前に「これは本当に正しい評価なのか」を今一度チェックしてみて貰えれば思います。
やらせレビュー依頼の流れ
最初に知っておいて欲しいのは、事業者がどのようにしてレビュー依頼先(Amazonレビュアー)を探すのかということです。一番メジャーな方法がAmazonのプロフィール、次にTwitterとFacebookです。
Amazonのプロフィールについては、その存在を知らない人の方が多いと思います。ログインした状態で以下のURLにアクセスすると、自分のプロフィールを設定できるようになっています。
https://www.amazon.co.jp/profile
ここにメールアドレスやSNSなど連絡先を記載した後、Amazonの商品にレビューを投稿していくことで、自分のプロフィールが他の人の目に留まるようになっていくのです。事業者はこのプロフィールに登録されているメールアドレスを収集して、そのアドレスリスト宛に依頼のメッセージを一斉送信してくるのです。
レビュアー様
はじめまして、アマゾンの売り手、鈴木と申します。
弊社の和風スタンドを無料で試していただきたいので、ご連絡させていただきます。
もしご興味がありましたら、試して頂けませんでしょうか?
実際にご使用になりました後、製品に関するレビューを書いて頂ければ幸いです。
また、弊社はPaypalという支払い方を採用していおります。写真はこちらでございます。
具体的には上記のようなメールを受け取った後で、
①商品を購入 ②レビュー投稿(星5) ③Paypalで返金してもらう
という流れになります。この流れにすることで、Amazonからは「本当に買ったものなのか、やらせレビュー用に買った商品なのか」が分かりづらくなるのです。
商品を無料で提供するということは、事業者側の負担もかなりのものになるはずですが、それでも依頼が続いているということは、それだけAmazonのレビュー評価が重要だということでしょう。無料で提供する数を増やせばベストセラー入りもしますし。
Twitterで依頼をしてくるパターンも散見されます。Twitterで「Amazon レビュアー」や「レビュー募集」といったキーワードで検索するとそれらしき事業者がたくさんヒットします。彼らをフォローすると向こうからメッセージが届くというわけです。
Facebookについてはレビュー用のFacebookグループが存在しているので、そこに参加して依頼を受けるという流れになります。TwitterとFacebookは自発的に動かないとコンタクトが発生しないため、今のところ主流の方法ではないように思います。
やらせレビューの発見方法
次に、やらせレビューの依頼を受けて投稿したレビューの発見方法を書いておきます。まず最初に、やらせレビューが多い商品カテゴリというものがあるので、そのカテゴリかどうかをチェックします。
やらせレビューが多い商品とカテゴリ
- Bluetoothイヤホン
- Bluetoothスピーカー
- アロマディフューザー
- 小型扇風機
- センサーライト
- モバイルバッテリー
- フィットネス用品
- サングラス
- スキーゴーグル
- 女性用ウェア
- ビジネスバッグ
- デスクライト
- HDMIコンバータ
- スマホ/タブレットスタンド
- 美容グッズ
- 電子ライター
- 廉価ドライブレコーダー
- Nintendo Switchケース
- シャワーヘッド
- ヘッドセット
これに限った話ではありませんが、価格で言えば1000円台~5000円台前後の商品が多い印象があります。あまり高額な商品だとレビュー数が稼げない(事業者側の負担がかかりすぎる)ことが原因ではないかと推察されます。
これらのカテゴリの安価な商品、かつ無名なメーカー(ほとんど中国)である場合は疑ってかかった方が良いでしょう。ほぼ間違いないと言っても良いと思います。では、そこからやらせレビューかどうかをチェックする方法を深堀りしていきます。
(1)発売間もないのにレビュー件数が多い
有名メーカーやブランドの商品であれば分かりますが、明らかに日本では無名のメーカー品が一気に売れることはまずありません。発売間もないのにレビュー数が多い場合はやらせレビューで一気に稼いだ可能性が高いです。
※業者が「購入してしばらくしてレビューするように」と依頼をするケースが出てきているようなので一概には言えませんが、可能性は非常に高いといえるでしょう。
(2)星5だらけでマイナス評価が無い
健全なレビューであれば星2~5まで評価が分かれるはずです。いくら良い商品でもレビュアーは主観でレビューしているので、星2や3はいくつかあるはずです。やらせレビューは業者から星4か5を依頼されている場合が多いので自然と高評価になっています。
(3)画像のパターンが一様
レビュアーの投稿する画像が似ているのもやらせレビューの特徴です。パッケージの中身から本体のアップ写真まで、といったものが多いです。なぜなら、実際に使わずにレビュー投稿だけして、その後で商品をメルカリやヤフオクで売りさばくためです。
実際にガッツリ使ってレビューを書いてしまうと商品を売れなくなってしまうから。画像なしレビューでも差しさわりのない絶賛コメントのものは、まず間違いなくやらせレビューです。普通に考えて、簡単なコメントしか書かないのであればAmazonにレビュー投稿すらしないはずです。
(4)購入している商品に統一感がない
やらせレビューをしているレビュアーの名前をクリックすると、その人が投稿しているレビュー一覧をチェックできます。明らかにバラバラな商品カテゴリーにレビューを高頻度で投稿している人は、まず間違いなくやらせレビュアーだと言っても良いです。
(5)出品者の評価が異常に高い
商品を購入すると出品者に評価を付けることができますが、この評価が異常に高い場合も疑った方が良いでしょう。具体的には「過去12ヵ月間で100%が肯定的 (評価:2024)」など書かれている場合です。
自分が良いと思う商品を買ったとして、わざわざ販売者に良い評価を付けようと思うことが果たしてどれくらいありますか?少なくとも私は思いません。この評価も事業者から依頼されるのです。
やらせレビューを見つけたら
明らかに怪しい場合は「違反を報告」を押しましょう。むやみやたらに押すのは良くないですが、Amazonもやらせレビュー問題に頭を痛めており、怪しいレビューへのフィードバックであれば参考意見として重宝してくれるはずです。
私も見つけ次第ポチっとするようにしています。微力かもしれませんが、これによって怪しい業者とやらせレビューが減れば、より健全な環境で買い物ができるようになると思います。ぜひご協力をお願いします。
[おまけ]Amazonで買い物を楽しもう!
やらせレビューをチェックした後は思う存分Amazonで買い物をしましょう。まだまだ知られていない、"本当に"お得な商品や便利グッズはたくさんあります。こういう本を読むと「まだまだAmazonを使いこなせてないな・・・」と痛感します。
Amazonヘビーユーザーで毎回クレジットカード決済している方はいませんか?それってとっても勿体ないです。Amazonカードでギフト券を購入すると、よりお得に買い物ができます。
おまけにクレジットカードの利用明細が長くならない(ヘビーユーザーならではの悩み)ため、毎月の明細チェックが簡単になります。おすすめです。こちらも合わせてチェックしてみて下さい。
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