五輪までに再整備 財政効果48億円見込む 千葉市稲毛海浜公園

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来年5月オープンを目指し計画されているグランピング施設のイメージ図(千葉市提供)

 海辺の魅力向上へ「都市型ビーチ」の形成を目指す千葉市は、民間事業者と連携して行う稲毛海浜公園(千葉市美浜区高浜7)の再整備について、2020年東京五輪・パラリンピックまでに主要施設をリニューアルオープンさせる計画を明らかにした。市は「グランピング施設など一部を来年5月をめどに先行的に開設したい」。再整備に市が24億8千万円を負担する一方、事業者からの公園使用料収入などで48億円の財政効果を見込む。

 8月下旬に5事業者の共同企業体「ワールドパーク連合体」と基本協定を締結。同社の提案内容に沿って事業を進める。

 事業区域を約65ヘクタールとする再整備のコンセプトは、夕日のイメージを取り入れた「INAGE SUNSET BEACH PARK」。夕暮れ時や夜間の利用も想定し、海辺の歴史を伝えてきた稲毛記念館を宿泊施設に改修。キャンプなどを体験できるグランピング施設や温浴施設を新設するほか、バーベキュー場を別の場所に移して新装する。

 老朽化が進んでいた同公園のプールは来夏の営業終了後に改修を始め、19年夏に新装オープンする。人気のスライダーや流れるプールは保持しつつ、リゾート感を意識した「大人も楽しめる」施設へと刷新する。

 既存施設に影響のない樹林地などに建てるグランピング施設やバーベキュー場は、来年5月ごろ完成を目指して先行整備。白い砂浜は「費用対効果も考えて実現可能か検討したい」(市公園管理課)としている。

 民間資本の導入により20年にわたる事業期間で、市の維持管理委託費負担額が38億円削減され、公園使用料で10億円の収入が見込まれる。市は9月補正で、事業費24億8千万円を上限とする20年度までの債務負担行為を設定。うち約7億9千万円を砂浜改修、約5億円を海へ延びるウッドデッキの整備費に充てる。

 熊谷俊人市長は1日の定例記者会見で「いなげの浜を最大限活用し、都内有数の都市型ビーチをつくりたい」と展望を語った。