ライトノベル作家・幾谷正氏「新作の行く末が、艦これの運営から掛かった圧力のせいで潰されてしまった」とツイート
幾谷氏が執筆する「アーマドール・アライブ」(講談社ラノベ文庫)は6月2日に第1巻が発売されたばかりのライトノベルだ。
ライトノベルは小説の内容だけでなく、表紙や挿絵を担当する絵師によって評価が大きく変化するという。
幾谷氏は今回の小説で、編集部の働きかけもあり、人気ソーシャルゲーム「艦これ」のキャラ絵を担当する人気絵師、コニシ氏を獲得したということらしい。売上のアップが見込めるこの戦略には、幾谷氏も大変満足だったようだ。
ただし、講談社による5月26日のツイートでは、なぜかコニシ氏の名前が、何らかの理由で「ひよこ西」と変名されて告知された。変更されたのはペンネームだけで、あくまで同一人物である。
そして6月を迎え、「アーマドール・アライブ」は無事発売された。ところがその約2週間後、作者の幾谷氏は今後の継続執筆を否定する内容をツイートした。しかも発言の内容は、ソーシャルゲーム「艦これ」の運営陣からの圧力により新作出版が取りやめになったとも取れるものだ。
昼間のtwitterでの惨状については申し訳ありませんでした。
技術とプライドの全てをかけて足かけ二年かけて作り上げた新作の行く末が、艦これの運営から掛かった圧力のせいで潰されてしまった程度で、不甲斐なく取り乱してしまったことを反省しています。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
また、直後には事実上の講談社ライトノベルからの撤退宣言とも受け取れるツイートを発信している。
また、肝心なところでは全く頼りにならず、売れない作家である自分を守ることなく切り捨てる選択しか取ってくれなかった編集部に対し、今や不信感しか持てず、商業の場で書き続けることはこれ以上無理だという連絡を先ほどしてきました。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
続けて、氏が圧力をかけてきたと主張する「艦これ」陣営にも言及している。
艦これという仕事をきっかけとし、多くのファンを獲得されたコニシさんという個人の名前とその仕事に対して惚れ込み、この人となら素晴らしい作品を作れると思ったのは本当です。でも今は正直な話、艦これの関係者なんかと仕事するんじゃなかったという激しい後悔ばかり募ります。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
幾谷氏によれば、講談社が「艦これ」の絵師を起用したものの、「艦これ」運営陣からは絵師のコニシ氏を「アーマドール・アライブ」の宣伝活動に一切関与させないという判断がなされたと主張している。また、圧力の具体的な詳細については一切、幾谷氏側に説明がなされない事態に発展したという。
ところが、幾谷氏が苦言を呈する状況に対し、人気絵師のネームバリューに頼りすぎていたのでは?というツッコミがユーザーから発せられた。
それに対して幾谷氏は、コニシ氏の知名度による宣伝効果を期待したことを認めつつも、「アーマドール・アライブ」が打ち切られたのは、あくまで講談社編集サイドに何らか圧力があったことによるものだと強調している。
@kujouaaitiso 決して強要はするつもりはありませんでした。ただ自分のような無名の作家が作品を続けるには、それしか手段がなく、打ち切られないために協力して欲しいと打診したのですが、それに対してストップを受けたと編集に聞かされました。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
そして、幾谷氏は講談社から一切、事情説明がされておらず、コニシ氏との連絡も意図的にブロックされている状況だと主張し、不満を述べている。
コニシさんと一度話をさせて頂いて、どうしてここまで話がこじれてしまったのか。また、一体どういう気持ちでおられるのか。一度本人と話させてほしいと再三担当編集にお願いしましたが、それすら聞き入れてもらえず、担当に対しても絵師さんに対しても不信感が募り、精神的に参ってしまっています。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
肝心の絵師さんとのやり取りは編集にブロックされて上手く行かないし、直接話したいと再三言い続けても先延ばし。それなのに、手遅れになった後で「次頑張りましょう」と平然とした顔で行ってくる。甘い言葉で騙されてきたけど、思い返せば、俺は家畜としか思われてなかったんだろうか。
— 幾谷正 (@armordoll_alive) 2014, 6月 17
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