東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

ウナギかば焼き、廃棄2.7トン超 「流通実態極めて不透明」

食品売り場に並んだウナギのかば焼き=2014年7月、東京都内のスーパーで

写真

 絶滅の恐れがあるニホンウナギなどのかば焼きが昨年、確認できただけで二・七トンも捨てられていたなどとする大手を含む小売業者のウナギ販売実態アンケートの結果を四日、環境保護団体グリーンピース・ジャパンが発表した。

 土用の丑(うし)の日などに合わせて盛んに売り出す裏で、さばききれずに賞味期限切れなどで大量に廃棄している一端が明らかになった形。ニホンウナギとして売られていた製品の一部がアメリカウナギだったことも判明した。調査した小松原和恵さんは「稚魚のシラスウナギの漁獲から販売までの流通実態は極めて不透明。問題の多い販売や消費の見直しが急務だ」と指摘した。

 アンケートは昨年九月から今年一月まで、イオンや西友、パルシステム生活協同組合連合会など十八社を対象に実施。昨年一年間の実績について関西のイズミヤと、中国、四国が地盤のフジを除く十六社から回答を得た。

 昨年、廃棄が「ゼロ」としたのはパルシステムとヤオコーの二社のみ。「ほぼゼロ」としたイオン、マルエツ、ライフを含め、少なくとも十社で廃棄があったと考えられ、このうち量を明らかにした五社だけで総量は約二・七三トンに上った。一匹二百グラム換算で約一万三千六百五十匹になる。西友は「非開示」だった。

 遺伝子検査では五十五品中四品がアメリカウナギと判明。「ニホンウナギしか販売していない」としていたユニーとオークワのものが含まれていた。自社の製品が、違法漁業や不正取引に関与していないことを完全には保証できないとした社は十一社。回答したほぼ全社が、シラスウナギの採捕から養殖池に入るまでのトレーサビリティー(生産流通履歴)が確保されてないことを問題として認識していた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】