政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大学教授)は4日午前、安倍晋三首相に答申を提出した。通信の大容量化や高速化などを踏まえた「放送と通信の融合」をにらみ、放送コンテンツのネット配信を促す環境整備など新たな対応を求める。
首相は「ユーザーの視点に立って、未来を見据えた放送のあるべき姿について総合的な検討を進めてほしい」と述べた。
答申は良質なコンテンツの国際展開のほか、番組のインターネット配信の拡充、電波の有効利用なども盛り込んだ。BS放送への新規参入を促すため、電波帯域の利用状況を検証する仕組みを導入するなど2019年度中に必要な制度整備を求めた。
制作者の待遇改善策も盛り込んだ。19年度中に制作者と受注側の間の法的措置を含む新たな取引ルールの策定を求める。番組の政治的公平を定めた放送法4条の撤廃は盛り込まなかった。
観光振興では、住宅に旅行者を有料で泊める民泊の普及に向け、認定手続きを全て電子申請できるよう自治体に促す。観光客の足となるタクシー業界には、IT(情報技術)を活用した配車サービスの拡充を求める。