世界の公用語といわれるほど、各国で広く使われている英語。世界191ヶ国のうち、英語を第一言語とする国は12ヶ国で約3億4千万人、公用語/準公用語とする国は50ヶ国で約6億人にものぼります。

世界中の手紙やポストカードの75%が英語で書かれている、というデータもあります。毎年出版される本の35%、半数以上の新聞も英語で書かれているのだとか。英語が世界の中心にある言語だと分かります。

第一言語・公用語・準公用語が英語の国

さて、ここで英語を第一言語(母国語)、公用語/準公用語とする国をまとめてみました。赤字は、日本人の語学留学先として人気が高い国です。

ヨーロッパ

イギリスアイルランドマルタ/ガーンジー島/ジブラルタル/ジャージー島/マン島/欧州連合

★注 アイルランドではアイルランド語が第一公用語で、英語は第二公用語となっていますが、英語の方が優勢です。マルタではマルタ語と英語が公用語。欧州連合では英語も含めて加盟国の26言語が公用語という扱いになっています。

北アメリカ

アメリカ合衆国カナダ

★注 一口にアメリカといっても、すべての地域で英語が通じるとは限りません。たとえばロサンゼルスでは、ヒスパニック系の人口比率が高いため、スペイン語がよく使用されます。アメリカ南部では、訛が聞き取れないという声もあります。

中央アメリカ

アンティグア・バーブーダ/グレナダ/ジャマイカ/セントクリストファー・ネイビス/セントビンセント・グレナディーン/セントルシア/ドミニカ共和国/トリニダード・トバゴ/バハマ/バルバドス/ベリーズ/アメリカ領ヴァージン諸島/アンギラ/イギリス領ヴァージン諸島/ケイマン諸島/タークス・カイコス諸島/プエルトリコ/モントセラト

南アメリカ

ガイアナ/フォークランド諸島

アジア

フィリピンシンガポール香港インド/パキスタン/イスラエル/ブルネイ/グアム/クリスマス島/ココス諸島/北マリアナ諸島

★注 最近増えているシンガポールや香港、フィリピンなどといった、アジア英語留学受け入れ先の国が目立ちます。ちなみにインドの公用語はヒンディー語で、英語は準公用語。シンガポールでは英語や中国語、マレー語、タミル語が公用語で、国語はマレー語です。

オセアニア

オーストラリアニュージーランドフィジー/キリバス/サモア/ツバル/トンガ/ナウル/バヌアツ/パプアニューギニア/パラオ/ミクロネシア連邦/マーシャル諸島/ソロモン諸島/アメリカ領サモア/クック諸島/トケラウ諸島/ノーフォーク島/ピトケアン諸島

アフリカ

ウガンダ/エチオピア/エリトリア/ガーナ/カメルーン/ガンビア/ケニア/ザンビア/シエラレオネ/ジンバブエ/スワジランド/セーシェル/ソマリア/タンザニア/ナイジェリア/ナミビア/ボツワナ/マラウィ/モーリシャス/リベリア/ルワンダ/レソト/南アフリカ共和国

大西洋地域

セントヘレナ/バミューダ諸島

語学留学は英語が「第一言語または公用語」の国がベスト

これらの国と地域で英語が通じるとはいえ、皆さんの目的は英語を学ぶことですよね。この膨大な国リストの中から、語学目的で旅行または滞在する国を決めるとなると、どのような基準で選べばいいか悩んでしまいまうのでは。

まず、英語には2種類あります。具体的にはアメリカ英語を基にした英語、イギリス英語を基にした英語とに分けられます。両者にはつづり、文法・語法、単語の面でさまざまな違いがあります。

ただ、話が通じないということはありません。有名なのは発音方法の違いで、アメリカ人はRを強くはっきりと発音しTは弱く発音したり省略するのに対し、イギリス人はRを強調しない代わりにTをはっきりと発音することなどが知られています。

イギリス英語の使われている国や地域は、イギリス本国のほか、オーストラリアやニュージーランド、香港、シンガポール、マレーシア、インド、バングラデシュ、パキスタン、アフリカ諸国、中南米など。

これにはイギリスが20世紀中頃まで、世界各地に植民地を抱えていたことが関係しています。イギリスで高等教育を受けた人々が行政を担うことで、国家の独立後も英語が使われ続けることになったのです。

一方、アメリカ英語の使われている国や地域は、アメリカ本国のほか、カナダ、フィリピン、リベリアなど。しかし、上に記したように、英語の通じる度合いにはエリアごとに差があります。

  • 英語が第一言語または公用語であり、かつ常に英語にふれられる国または地域である
  • アメリカ英語/イギリス英語のうち、身につけたい方の英語が使われている国または地域である

語学を勉強しに外国へ行きたい方は、英語の通じる国や地域の中から、これらの基準に合う場所を選ぶことがポイントとなるでしょう。

池田 園子

フリーランスの企画ライター。86年生まれ。楽天でポータルサイト運営、ITベンチャーでメディア運営を経て独立。現在は、R25、ITmedia、Impress、J-cast、ウレぴあ、など10媒体以上に執筆中。著書に『フリーランスで食っていきたい! 』がある。Twitter: @sonoko0511  Google+
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