初めてのホストで、3万円で場内指名とシャンパンコールができるとのことだったので、軽い気持ちで一番可愛かった新人くんを指名したら、なんと指名処女で、あまりにも感動した話をします。
初めてホストに行きました。友人を連れて行きました。店の前で既に緊張し、友人の陰に隠れました。私から誘ったのに何なんだと言われました。
最初に何を飲むか、どういう接客が希望かを記入するプロフィールシートの名前欄に、私は律儀にフルネームを記入しました。どうやらあれは呼ばれたい名前を書くところだったようです。フルネームで書く人久々に見たとホストの方にも言われました。恥ずかしかったです。普段会社でおっさんとしか喋っていないので、ホストの方々の前で私は借りて来た猫のように大人しくしていました。緊張してる?と気を使われ、話題を振って貰ってもアハハ!て感じでした。同行してくれた友達がコミュ力高かったのでなんとか場を凌いでくれました。
そんなかんじで、ホストの方々が順番に卓についてくれる中で、若くて可愛い男の子が来ました。入って1ヶ月の新人さんだそうで、まだ慣れていなさそうな感じが初心者の私には逆に話しやすく、しかし時々タメ口になってしまうのがババア丸出しで少し自分にゲンナリしました。
ところでもう察してると思うけど、今回は伊弉冉一二三くんの調査のためにホストに行って参りました。一番の目当てはもちろんコール。シャンパン!シャンパン!動機が不純なプリンセス!ホストなんかそう来るところでもないしシャンパンコールが私はどうしても聴きたかったのです。初回の客は3万円で場内指名&シャンパンコールが聞けるとのことでしたが、でも最初は3万は今無いな〜まあ他の卓でやってくれたらラッキーかなくらいに諦めていました。しかし、その話をホストの方にしたところ、猛烈なセールストークを浴びせられました。普段は○万円なのに今回は3万!安い!と事務の方からも推されました。友人は隣で「今揺らいでるからもっと押したらやると思います!」と援護していました。3万円を払うのは私だけなんやけどな。そして実は私はここまで酒を一滴も飲んでいないのですが、猛烈なセールストーク、今回限りの貴重な体験、作詞藤森慎吾、諸々の要素で気が狂い、とうとうやりますとクレジットカードを財布から出すに至りました。
指名したのは先程の新人ホストさんでした。一番可愛かったし、なんか頑張って欲しかったので ダメですね ダメだと思います 私の趣味が 私は私のなりたくなかったババアになって来た気がします しかし彼が可愛かったので、あと若手アイドルを育てるような気持ちで指名をお願いしました。
そしたら彼、初めての指名だったそうで、他のホスト先輩方から喜ぶよと言われました。カードの明細に名前を書く手が震えました。初めての指名がこんな物見遊山の金もろくに持っていない素寒貧女で本当に申し訳なくなりました。しかし「初めて」という単語には私のボルテージがギュンと上がるのを感じました。そもそも私は処女厨なところがあるのでまあそれも当然の反応だったのですが、なんかもう、だめでした
なんかもうだめなんです本当に ありがとうございます!て来てくれた新人さんの笑顔が すごく先輩方からかわいいかわいいと言われていた彼ですが、もうわかる かわいいもんこの子 かわいいですわ 私でも後輩にいたら可愛がりますわ 指名初めてですって私の横にあったクッションをのけて隣に座って来る彼にド緊張しながら、ごめんね…となぜか謝りました。だってもうだめだろこれは だめなんだよ キモオタにはあまりにも効く
シャンパンが用意されます。先輩方がマイクを持ってテーブルを囲みます。店内のBGMが変わり、ボリュームが大きくなり、照明が変わります。先輩方が新人さんとハイタッチをしています。事務の方が新人さんにシャンパンの開け方を教えています。私は本当にこの人の初めてを頂くのだと思うとなんかもうこれだけで私は3万円の元を取った気分になりました。キモイな~私はキモイです。こんなキモイ女が初で本当にごめん…と心の中で謝りました。声にも出した。出すな
初めての生シャンパンコールは反響するマイクと店内の爆BGMでよく聞き取れませんでした。先輩方からシャンパン開けて!と指示されて「いきます!」と律儀に宣言してモタモタしるのがなんかもう 本当に泣くかと思いました。オタクはこういうので 泣くんだよなあ〜… 姫に一言聞いてみたい!とマイクを渡されたので、「これからも頑張ってください」と謎コメントを残しました。学級会じゃねえんだからよババア!彼からも「初めての指名ですありがとうございます、本当に嬉しいです」と律儀なコメントをいただき、先輩たちからナンバーとりますって言え!大切にしますって言え!と囃されているのがほほえましかったです。可愛がられすぎでは?才能才能
今までずっとシャンパンを用意する側だったので、初めてこっち側になれました、嬉しいです、この気持ち忘れちゃいけませんねと笑顔で語る彼の眩しさが忘れられません。ここホストなのにそんなに眩しくていいの?とも思いました。私はホストのことをよくわかってないし、彼がホストになった理由も知らないし、なんならホストに良いイメージってあまりなかったんですけど、彼を見ていると急に私までめちゃくちゃ幸せになってしまって、私の払った3万は私にとっても彼にとっても全く無駄ではなかったし、なんなら倍出せたなとすら思いました。
なんか恥ずかしかったので、課金!課金だよ!とずっと言っていました。SSRの男になってくださいと言いました。私の中では既にSSRなんですけど、指名なので。既に酒飲みまくって寝落ち寸前の友人が、このシャンパン美味しすぎると嘘のように飲んでいました。彼もめちゃくちゃ美味しいですと飲んでいました。また飲めるよ〜と言っておきました。本当にそう思う、可愛いし愛想いいし、多分私みたいに可愛い後輩好きの女は入れ食いだと思います。正直、もうホスト来ることないし思い出にシャンパンコールしとくか!くらいの気持ちだったのが、なんかまた来ようかな〜くらいにはなっていました、この段階で。偉い人にシャンパン注がれて慌ててるのが可愛かったので、あーこういう思いをもっとたくさんさせてあげたいなと、泥沼の始まりのようなことを考えていました。今回遠出して県外の店に行ったのですが、マジで正解だったと思います。あぶね~あぶね~
終電もあったので、最後は彼に見送りをしてもらいました。ありがとうございますと握手されたのが、握手て!!て感じでもうものすごく良かったです。握手て!!!SSRの男になります!って言ってくれたのも良かったです。あと思い出としては、私は県外の人間なのでまた来れないかもしれないと言った上で、でももっとお金貯まったらまた来ますと伝えると、その頃には自分も稼げるようになってますと返してくれたのがあ〜才能才能と嬉しくなりました。
その後タクシーを拾ったんですが、なんだかめちゃくちゃハイで幸福だったので、運転手さんにちょっと話聞いてくださいとここまでの顛末を語りました。すると運転手さんは良いですねとすごく相槌を打ってくれて、自分も妻子持ちだがよくフィリピンパブとかいく、新人さんはやっぱり可愛い、特に田舎から出てきた新人さんはすごく親しみがわく。家庭ももちろん大事だが、線引きをして遊ぶのは必要だと思うし楽しい。なんにせよお金払って楽しかったならそれは本当に良かったですね、とたくさん語ってくれました。私は今まで、もし彼氏がキャバクラ行ったら殴るくらいの過激派女だったのですが、今回の一件と運転手さんの含蓄のあるお話を聞いて、夜の世界は人の幸せのためにあるのだと意見を改めました。だって本当に楽しかったから アイドルと同じだよ 私はアイドルが大好きなので、同じく生活に潤いを与えてくれる夜の世界のこともなんだか好きになりました。一二三くんが中途半端にホストやってねえんだというのが、初めてのシャンパンに喜んでくれた彼を見ているとジーンと胸に染み渡りました。大変な世界ですよね、闇金ウシジマくんを読んだのでよくわかります。
いやほんと何が一番効いたって、私ずっとホストのことが怖かったんです。私の周りには生まれてこの方、チャラい人もイケメンもいなかったから。そういう人たちと一切関わってこなかったし、あっちも私と関わってこなかった。本当に別世界の人種だったんです。今回の新人さんだって、前職現場だし、ラインのアイコンもSNOWで盛ってるし、営業ラインの顔文字だってもう本当に普段の私からしたら絶対関わりたくないくらいド地雷なのに、ド地雷だから、「ありがとうございます!」ってすごく嬉しそうな笑顔で来てくれた彼を見た時に本当にびっくりして、もう脳みそがグチャグチャになりました。だって絶対チャラいでしょ?きみ 若くてそんなに顔もイケメンで愛され系後輩で、今までたくさん楽しくやってきたでしょ?ホストだってやれると思ったからやってるんでしょ?なのになんでこんな、私みたいな一見の地味女が入れたシャンパンでそんなに純粋に喜んでくれるの?それ本気の笑顔のやつじゃん ありがとうございます、初めてです、井藤さんのおかげですってなんでそんなに純朴に喜んでくれるわけ!!??びっくりするじゃん 店の先輩たちみんなチャラかったしノリノリだったよ!なのにまだ1か月の新人とはいえさあきみずっとリア充だったんでしょ ホストってそういう生き物じゃないでしょ 違うじゃん!!私の思ってたホストと違う!!!きっとこの店の先輩たちも、初めて指名取った日は彼のように喜んで、めちゃくちゃ笑顔だったんだろうなあと思うと私はもう泣けてきちゃうんだよ この子もそのうちスれて慣れて女性からたくさんお金を貰うようになるのかと思うと…というゲンナリとか悲しみじゃなくて、ここにいる人たちみんな昔はこうやって喜んだことがあるんだという希望で泣く。ホストって女性を食い物にする怖い人たちじゃなかったんだ、私って今まですごい偏見で生きてたんだなあとか 3万円って大金だし(普段はもっと高いし)、それを払うお姉さんたちは本気だし、それを受け取るホストも大金分喜んでくれて、接客してくれるのってなんかすごい世界だなあとか あとこの話を人にすると何人が「生きててそんなに他人に喜んでもらう瞬間ってなかなか無い」と言っていて、それは確かに…と私は思ったし、私自身何度もめちゃくちゃ感謝されて本当に嬉しかったし、これが自己満足なのか顕示欲なのか何なのかわからないけど、それでもめちゃくちゃ幸せだったし満たされましたよ もうどんどんお金払えばいいじゃん、それでお互い幸せなら むしろ金も払わずに幸せになりたいとか甘えを感じる サービスには対価が発生して当然 私が働いた金を私はチヤホヤされるために使う あっちはお金がもらえる winwinとしか思えない 経済回るし心満たされるし最高だなマジで
とりあえず金に余裕ができたらまた行ってみようかなと思います。彼が今後ビッグになって初めての指名、初めての被シャンパンの気持ちを忘れてしまっても、私の中に彼の初めてを頂いたという幸福な思い出はいつまでも残り続けるし、墓まで持って行くので。それほどに幸せな体験をさせていただきました。オタク、感無量です。どうかお体にお気をつけて、太いお姉さんを捕まえてナンバーワンになってください。応援しています。以上
追加 3時間ホストクラブのフワッフワのソファに座ってたので新幹線のかったいベンチみてえな椅子に座った瞬間現実にスンッて戻った。それもまた良かったです。