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【国際】

セクハラ「禁止」 国際条約制定へ 日本は態度保留

 【ジュネーブ=共同】国際労働機関(ILO)の委員会は二日、職場でのセクハラや暴力をなくすための国際基準の枠組みについて、拘束力を持つ条約を制定する方針を決めた。社会規範の異なる各国の事情に合わせるため、勧告を作成し条約を補完する。会議筋が明らかにした。 

 世界各地で性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動が広がる中、セクハラを含めたハラスメント対策は初の国際基準制定へ一歩前進することになった。

 会議筋によると、委員会の議論では、欧州連合(EU)各国や中国、中南米、アフリカ諸国などが条約制定に賛成。米国、ロシアなどは勧告にとどめるべきだと反対し、日本は「条約にするとしても多くの国が批准できるよう柔軟な内容とすべきだ」と態度を保留した。ハラスメントの定義などをきちんと議論する必要があるとしている。

 ILOはジュネーブで八日まで開かれている年次総会で委員会の報告を承認予定。条約や勧告の内容はその後詰めるが、条約と勧告の双方で国際基準の枠組みとすることは変わらない。来年の年次総会での条約制定を目指す。条約を批准するかどうかは各国が判断する。

 五月二十八日に始まった委員会には各国の政府・労働者・使用者代表が参加し、ILOがまとめた国際基準案を基に議論を進めてきた。当初、枠組みを先に決める予定だったが、議論が紛糾したため後回しにしていた。

 国際基準案は職場でのあらゆる形の暴力とハラスメントの禁止を目指すもので、ハラスメントの定義や、対象となる労働者や行為者の範囲、防止措置なども盛り込んだ。

 

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