2015年5月24日 五頭 大荒川 西小倉沢

メンバー:ひろた、他2名
装備:ザイル8mm×30m、8mm×40m。カム#0.4、0.5 靴:アクアステルス
地形図:出湯
遡行図、概念図はこちら  参考ビデオはこちら

昨日、南俣沢の遡行を終え、今日は一本南に位置する大荒川の最大支流、小倉沢(こくらさわ)を遡行する。小倉沢は上部で東小倉沢と西小倉沢に別れるが、
この手前にある三十三間の滝という難所があるようで、昨年遡行した大荒川本流よりも登攀系になるらしい。

6:53基点P発→7:30堰堤上入渓点(焚火休憩有)→8:52小倉沢出合(焚火休憩あり)→13:57 三十三間滝下→14:40東コクラ/西コクラ沢出合
→15:45 660m左岸枝沢(エスケープ)→16:30稜線登山道→17:50基点P着

大荒川流域の沢の基点となる魚留滝手前の駐車スペース(10台程度)はsoftbankはつながるがAUは繋がらないようだ。Docomoは勿論圏内。準備を整えて
ると、小倉沢遡行経験を持つひらっぺさんが合流。

昨年、大荒川本流を遡行したときは魚留滝から入渓したので、今回は多くのパーティーが入渓点としている堰堤上まで、山葵山の登山道+右岸踏跡を
利用。小倉沢遡行の場合は足並みそろったパーティ以外は堰堤上から入渓した方が無難だろう。右岸の踏跡は明瞭だが、右岸枝沢を横断した所が解り難いが、枝沢を横断して、3m、4m上がったところに道がある。ここから堰堤まではすぐ。堰堤上に付くと、先行していた二人の釣師。彼らも小倉沢に行く
らしい。

大荒川基点P
右岸踏跡のルート(カーソルあてて)
堰堤上ジャストに出ます

少し進むと淵を持ったゴルジュになるが、彼らはこれを大高巻きして先行していった。我々はもちろん沢通しで進む。淵の深さは腰上までだったが、次の
5m滝の釜は足が付かなかった・・・(涙) この先の7m滝は釜をへつって水流右を直登。後続にはザイルを出す。ここで広河原状に変化。早速焚き火休憩
・・・最近ちょっと進んでは焚き火休憩が多い様な。。。(笑)

大荒川本流最初の淵
5m滝は足がつかない
7m滝はへつって水流右から(カーソルあてて)

ここからすぐに、左岸から小倉沢が出合う。水量比は(3:1)で左の本流がさすがに多い。小倉沢に入ると芳兵衛の滝と名付けられた5m滝が現れる。
遡行経験のある ひらっぺさんは「ここは登れる」との事。。。ザイルを出して水流右から取りついたが、スタンスほほぼ無く。残置シュリンゲを掴んでから、
ハーケンに足置き・・・とA0しまくりで滝上に出る。正直、この滝の直登が一番難しかった。。。Ⅳ A0 2人も頑張ってフォロー。。。 この先少し行くと雪渓
が残っており、この時点で・・・とちょっと焦る。

小倉沢出合
芳兵衛の滝を登る(カーソルあてて)
芳兵衛の滝フォロー

すると先ほどの二人組の釣師が降りてきた。どうも全く釣れなかったらしい・・・。ザイルも持って来てないし、これ以上進めないという事で引き返したとの
事。。。釣り師と別れ、少し進むと、狭いゴルジュになり、釜を持った4m滝。これは結構濡れないと登れそうにない。先程の釣り師が濡れて無かったところ
を見ると、ここで引き返したようだ。ここは左から腰上まで水に浸かって取りつくが、滝に取りつく1歩がパワー勝負になり、RURUさんにはお助け紐を出すも
苦労していた。この先のゴルジュ内の小滝は問題なく通過。すると、2段10m滝が表れる。高巻きは右で、トラロープの様なものがぶら下がっていた。
ただ、水流右から階段状に落ち口に向かってラインが見えたので、ここもザイルを出してトライ。下でカムを決め水流にぶつかる所でハーケンを1枚打ち、
ここはムリせずシュリンゲ掴んで水流に移動。ここに入ってしまえば、後は簡単。Ⅲ+A0
釣り師が引き返した4m滝(カーソルあてて)
2段10m滝
2段10m滝を登る(カーソルあてて)

この先、4m滝を両手ツッパリで上がるとまたゴルジュ。左に曲がった所に雪渓がブリッジになって残っていた。どうもこの場所は、最後まで雪渓が残る所
らしい。左岸から高巻こうとしたが悪く、そんな中、ひらっぺさんが、「雪渓奥に光がさしている!」という。確かに見てみると20m先くらいで抜けれそうだ。
雪渓入り口には小滝が掛かるが、簡単に登れそうなので、一人づつ雪渓を潜って突破した。この先にももう一つ小さなブリッジがあり、これも潜る。。。
この先も結構なゴルジュだが雪渓が無くホッとする。

4m滝をツッパリで上がる
最後まで残る雪渓ブリッジ(カーソルあてて)
ゴルジュにもう、雪渓が無くてホッとする

この先、4m滝を水流右から、続くノッペリとした5m滝もラインを見出し直登。お腹が空いたので、本日2度目の焚火休憩。。。しかし、小倉沢の核心部は
ここからの様だ。4m『S』字滝を上がると、正面に見えていた滝は枝沢の滝で、本流は左直角に折れ9m滝。幸い左岸に斜上バンドがあり、これを利用して
上がる。

4m滝は水流右から(カーソルあてて)
5m滝も水流右から(カーソルあてて)
9m滝は斜上バンド利用

すると、いかにもココが核心部と言わんばかりの大滝が姿を現す。これが三十三間滝らしい。ただ、この滝の全貌を見るには前衛の10m滝を超えなけれ
ばならず、これも結構難しそう。高巻きは左岸らしいが、、ひらっぺさんによると「登れる」との事なので、30mザイルを出して水流右に取りつく。
岩はそれなりに安定しているが、そう簡単な感じでもない。5m程登ると残置ハーケンがあり一安。ここからトラバース気味に上がって行く。
トラバースし
終え終了かと思いきや、さらに細バンドのトラバースを4m程強要され10m滝上に出たⅣ-。30mザイルで届く。。。ここで三十三間滝の全貌が把握できる。
滝の飛沫が凄くて一段上でピッチを切り、後続の二人を待つ。

三十三間滝と前衛10m滝
前衛10m滝を登る(カーソルあてて)
さらに4mトラバースを強要される。

全員が三十三間滝下に着いたのは14時前。。。圧倒的な三十三間滝を前に、時間的に厳しいので、ここから左岸高巻きに入ろうと提案すると。左岸高巻
きも悪いらしい。ならば三十三間滝下段は簡単そうに見えるので、そこまで上がって右岸高巻きでどうかと、40mザイルを引っ張って下段を上がってみる。
下段終了点は広いテラスになっており、ハーケン2発でガッチリとした支点が作られていた。ここから残り17~8mを見上げると、階段状で簡単そうに見える
。苦労しなければ、何が待ち構えているか解らない右岸巻きよりも早いと判断、このまま直登した。。。8m程直上すると1ポイント段差が高い所があり、
一旦躊躇するも腐りかけたリングボルトを発見。リングはまだ繋がっているので、これなら使える! この段差を上がりあとは丹沢の様な”脆さ”は全くなく、
快適ピッチ。落ち口は水流沿いを上がって行く人も居るそうだが、時間が押してる状況でムリする必要などなく、真っ直ぐ乾いたラインを直上、滝上に出た
。高度感はあるがⅢ級は超えない。残置はリングボルト以外無かったが、リスは多いのでハーケンは使えそう。お二人も躊躇することなく、快適に登って来てくれた。
三十三元滝(クリックして)
下段を登る
上段を登る(カーソルあてて)

この先、5m滝を超えると、東コクラ沢/西コクラ沢出合となる(1:1)二俣。東コクラの方が南面の沢なので雪渓が少ないと思ってチョット入ってみたが、
いきなり面倒な滝が現れたので、西コクラ沢に入る。ゴルジュ状を進むと12m滝が左から入る。「まだこんなのあるのかー!」と全員思っただろう。枝沢かと
思ったのだが、残念ながら本流・・・この滝は手足も出ず、右岸を巻くが、灌木掴みの急登でお助け紐を出しながら二人をサポートする。

東コクラ/西コクラ沢出合
西コクラ沢に入る
12m滝(カーソルあてて)

この先、両岸が切り立った様相が続く中、2m程度の小滝を散見。時間も押しているので、660mに位置で左岸から入る(2:1)枝沢でエスケープする。この
枝沢はエスケープに使えるが、今日はまだ雪渓が残っていた。灌木帯の藪を少し漕いで稜線登山道に16時半に到着・・・。
昨日の南俣沢と違って稜線には明瞭な登山道あり。普通のペースで1時間20分で基点駐車場に戻ることが出来た。
両岸切り立った様相が続きます(カーソルあてて)
660m左岸枝沢でエスケープ(カーソルあてて)
お疲れ様でした♪

P.S:小倉沢は登れる滝が多く、結構楽しめます。特に三十三間滝は快適に登れるし、一見の価値はあります。北面の沢5月ですと、五頭山頂直下にまだ雪渓がビッチリ
   残っているので、これを避けるなら6月に入ってからが良いでしょう。ザイルは30mで足ります。靴はラバーソールが良いでしょう。テン場は見つけられませんでした。
   

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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