忍者ポーズに落ち着き効果 三重大教授、脳波など測定

三重大医学部の小森照久教授(精神医学)が、忍者が手を合わせて呪文を唱える「印」をした際の脳波や心拍数を調べた結果、ストレスが緩和され、落ち着いた状態になっていることが分かった。

印とは「臨・兵・闘・者・皆・陳・裂・在・前」と、9つの言葉を唱えながら、決められた形に指や手のひらを合わせること。甲賀流忍術の継承者で、三重大特任教授を務める川上仁一さん(66)によると、敵地に赴くときや任務を完了した際に印を結ぶ習慣があったという。

小森教授は昨年12月から3カ月間、忍術の修業を経験した5人と、経験したことがない10人に、それぞれ足し算を30分間繰り返させてストレスを与えた後に脳波などを測定した。

印を結んだ経験者と印を結ばない未経験者を比較すると、経験者の方がリラックスした際に検出される脳波や副交感神経の働きが活性化。経験者が印を結んだ場合と結ばなかった場合でも結んだ方がその傾向が表れた。

小森教授は「一般的に言われるリラックスとは少し異なり、集中力も維持されている。闘いに適した状態」と分析した。〔共同〕

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