【6月3日 東方新報】中国・河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)公安局、火車駅公安分局指揮センターは5月21日午前6時30分ごろ、「娘がいなくなった」という通報を受けた。1歳7か月の娘、花花ちゃん(仮名)が前日の午後8時ごろに駅の広場付近でいなくなったという内容だったが、通報が10時間後であったことと、通報してきた女の話に不自然な点がみられることから追及したところ、娘を何者かに5万元(約)で他人に売ったと説明。警察は娘を保護するとともに、娘を連れていた男と母親を児童誘拐の疑いで拘留した。

 母親は、娘と引き換えに得た金で、同じ日に化粧品など6000元(約10万円)を購入するなど浪費したという。

 女の証言に基づいた聞き込みや監視カメラの映像からは、女と花花ちゃんの姿を確認できなかった。警察ビッグデータの情報を使い女の情報を探したところ、娘がいなくなったと女が主張していた20日午後8時ごろは火鍋店で食事をしていたことがわかり、さらに追及すると、「旅行を口実に子どもを鄭州市に連れて来て、約5万元で他人に売り渡した」と供述した。

■うその通報、家族だますため

 女は家族に疑われるのを恐れ、うその通報に至ったと白状した。警察は、女に花花ちゃんを連れて行った男に電話をかけさせ、子どもを返すよう要求させた。

 男は、「6万元で応じる」と話し、会う約束を取り付けた。警察は、待ち合わせた場所に現れた男二人を逮捕、花花ちゃんを無事保護した。

 花花ちゃんの父親は鄭州に駆けつけ、「ちゃんと反省するんだよ。外に出られるようになったら花花と迎えに来るから」と妻に声をかけた。(c)東方新報/AFPBB News