題名「転ぶ人を見る人」
七枚組の写真を撮るという課題にて提出したもの。機材はデジカメ。制限は特になし.
人通りの多い場所で、肘と膝にプロテクターを着用し、なるべく大きな音をたてて転ぶ。そして振り返った人たちを撮る。四枚目以外は、自分が転んだ直後に顔をあげて撮ったものだ。
1枚目と6枚目は渋谷のスクランブル交差点。2枚目は巣鴨の商店街。4枚目も巣鴨にて撮った写真だが、これだけは同じ映像科の鄭に撮ってもらった写真なので転んだ自分も写っている。3枚目は国分寺線の電車内。5枚目は秋葉原。そして7枚目は新宿ゴールデン街にて撮影した写真なのだが、ここに限っては何度か転んでも大抵は誰も振り返ってくれなかった。
これをやろうと思ったのは高校卒業から大学入学までの間の頃。駅まで急いで走っていたら、滑ってもの凄く派手に転んでしまい、目の前を歩いていた登校中の小学生達が一気に振り返った。その時の小学生達の吃驚したような顔、少し心配してるような顔、笑ってるような顔、何ともいえない表情達がずらっと揃っている光景がとても面白くて、しばらくしてから「さっきの顔は無理にでも写真で撮っておけばよかった!」と大後悔した。その時から、大学で写真課題が出ようものなら絶対にやってしまおうと目論んでいた。
いろんな意味で非常に大変な撮影だったが、結果としておもしろいものになったのではないかと思う。少し形を変えて、なんとなくシリーズとしてやっていきたいな〜と考えている作品の一つだ。次こそは小学生達の顔を撮りたい。