日本人の「ハチ公体質」は、不幸しか招かない

上下関係で成り立つような忠誠心は危険だ

外国人が憂う日本人の「ハチ公体質」とは何か(写真:blackie0335/PIXTA)

アメリカンフットボールでの悪質タックル問題をめぐる騒ぎがようやく落ち着いてきた。いろいろな意見があるだろうが、個人的には今回の「チャンピオン」は、宮川泰介選手である。

多くの偉大なスポーツ選手が有名な理由は彼らの身体能力にある。しかし、フィールドでプレッシャーをかけられた若い宮川泰介選手はチーム、日本大学、そして何よりもスポーツの上を行く強いモラルを見せた。自己の行為を反省し、彼のコーチを含むその行為に至った原因の事実を話すことによって宮川選手は最近の日本によく見られる「ハチ公体質」から離れたのである。

犬を偶像化することに驚いたジャーナリスト

筆者が初めて日本に来た頃、当時ジャーナリズムの先輩であった海外特派員ブルノ・ビロリ氏が「いったいどんな国が犬を偶像化するのか」声に出して不思議がっていた。彼が言っていたのはハチ公のことだった。日本が軍国主義の道をたどっていた頃、ハチ公は主人への盲目的服従の象徴として人気になった。

忠誠心はとてもよい価値観であり、それが正しく使われれば最高によい結果を出すことができる。日産の会長であるカルロス・ゴーンは2017年にこう話したことがある。

「私は数々の組織や国の中で仕事をしてきたが、すべての日本企業のすべての社長がうらやましい。日本にはとても特別な何かがある。それは、すべての従業員とつねに1つの目標を持つ社長との間にあるつながりである。この忠誠心はとても強く、ほかが再現するのは非常に難しい。日本があれほど印象的なのはこの独特な特徴のためである」

しかし、忠誠心が恐れや強制によるものであればそれは破棄されるべきだ。ハチ公は確かに、日本人にとって忠誠心のシンボルなのだろうが、忠誠心に対する行きすぎた信仰は危ない。たとえウソをついたり、自らを滅ぼす可能性があったとしても、その時の「主人」に従う体制を作ってしまうからだ。これは特に、権威が重視されるスポーツの中で見られるが、国権の最高機関でも見られる。

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  • NO NAME74df7d7776d7
    日本は、銃は無いけど、堂々と部下を潰して出世するモンスター上司がいる😢
    up57
    down10
    2018/6/3 06:31
  • NO NAME6272aab6d21d
    尊敬に値しない人間を敬う必要はないしまともに法律を守らない経営者に従う必要もない権利を保障しない国には抗う自由がある
    こんなもの当たり前の話だ
    年老いただけのガキに気を使い月給20万ぽっちで奴隷のように働き「義務だから」で貰えない年金保険料を払う
    弱い立場で逆らえないとかなら理解できるが日本には奴隷を弾圧する奴隷が多すぎる
    up45
    down8
    2018/6/3 06:54
  • NO NAME232b1e8bb07a
    「自分で考えない」と「安定を求める」が元凶である気がします。
    世間に名の通る大企業に勤めることがステータスだから、厳しい労働環境でもそこから出ようとしない。転職組は忠誠心が低いと見られ市場価値が下がる(根気がないというレッテルも)。本来は不当な扱いをする会社なんてさっさと見限って、転職すればいいだけの話。別の方のコメントで「32%の退職した若者はどこへ?」というのがありましたが、みんなが引きこもりや起業家になってるわけない。転職してるのが大多数。でもその転職先は条件のいい外資である可能性が高い。そういう意味で「日本からの人材流出」という危惧は的を得ていると思う。
    日本人の幸福感が自分軸で考え定義した理想に基づくものではなく、「他人に堂々と言える会社に勤めてるか?他人の羨望の対象になっているか?」という基準である限りは劇的な状況の改善はのぞめないと思う。
    up33
    down3
    2018/6/3 07:39
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