テレビ朝日系人気アニメ「クレヨンしんちゃん」(金曜午後7時30分)で、主人公の野原しんのすけの声を演じる声優矢島晶子が、29日の放送を最後に降板することが1日、同局から発表された。矢島は92年4月の放送開始から26年3カ月、しんのすけの声を演じていた。
矢島は同局を通じて「このたび、野原家から離れることに致しました」とコメント。降板理由を「しんのすけの声を保ち続けることが難しくなったためです。キャラクターの声を作る作業に意識が集中し、役としての自然な表現ができにくくなってしまったためです」と説明した。
さらに「『しんのすけ』というキャラクターは離れますが、声の仕事には関わっていきます。また別の機会に他のキャラクターで私の演技を受け取っていただけましたら幸いです。27年間、ありがとうございました」と続け、今後も声優業は続けるとした。
降板理由に体調不良などが心配されるが、同局は病気などではないとしている。矢島の本来の声は、少しハスキーな高音で、しんのすけのとぼけた感じの低音とはかなり違う。コメントから、演じることに相当な苦労を重ねていたことがうかがわれ、降板を決意するに至ったとみられる。
同局は、矢島の申し出を受け、局内で協議を重ねた結果、降板決定となったと説明した。7月からしんのすけを演じる声優は現在調整中という。また「長きにわたって作品を支えていただいた矢島さんの多大なる功績に、番組関係者一同、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝した。