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中村 倫也

自分の中の“ホイップクリーム系男子”を出す

朝井正人(マアくん)を演じる上で、どんなことを大切にしていますか?

北川(悦吏子)さんが台本に散りばめた「フワフワホイップクリームみたいな男子」「切実さの感じられないところが魅力」といったト書きがヒントになりました。ご本人とお会いしたときにも「(中村さんは正人の)まんまじゃん」と言われたので、「そうなんだ」と(笑)。あまり作り込まずに、自分の中のホイップクリーム系男子を出そう、という意識です。

正人はマイペースな人なので、基本的には、しゃべるスピードを意図的に落としています。「半分、寝ているような顔」というナレーションのとおり、表情もほとんど力みません。どんなときにも眉間にシワが寄らない人なんですよね。その上で、正人のつかみどころのなさを本当に表現するには、シーンごと、相手ごとのチューニングが必要だな、と感じているところです。

これまでにいろいろな役を演じてきましたが、いちばん塩梅(あんばい)の難しい役かもしれませんね。頑張って演じようにも、頑張っている感じが出ちゃうと、正人でなくなってしまいますし(笑)。内心では必死になりながらも肩の力を抜く、武道の達人のようなたたずまいを心がけています。

アタックの強いことばも、純粋な寂しさから出てくるもの

常に複数の恋人がいるという正人ですが、モテる理由はどこにあると感じますか?

いちばんは、人の気持ちによく気が付くところでしょうね。思わせぶりな発言は、その結果として出てくるもので、半分は無意識に言っているんだと思います。
「新しい犬来ました。前の犬、捨てる?」「増えてくじゃん、犬。なんで女の子は、増えちゃだめなの?」というアタックの強いことばも、純粋な寂しさから出てくるもの。律の前で女の子を振る正人の初登場シーンも、いかに悪意なく、嫌味なくしゃべるか、がテーマでした。ポーカーフェイスでミステリアスだけど、放っておけない雰囲気が、女性を惹(ひ)きつけるんだと思います。

モテる理由といえば、おもかげで律に言った「律みたいにきれいだと、女の子もびびんだよ。俺くらいがちょうどいいんだよ」というセリフもありましたね。なるほどなぁと思いました。
たしかに、自分と同じ時間に(律役の佐藤)健がメイクしていると、「きれいな顔してんなぁ……」って、鏡越しに見ちゃいまからすね。健が視線に気付いて、自分が目をそらす、という瞬間が毎朝あります(笑)。

鈴愛ちゃんを好きになった瞬間がどこか想像してみて

正人と鈴愛はいい雰囲気ですが、お互いのどんなところに惹かれたのだと感じますか? また、鈴愛との芝居で気を付けているポイントなどを教えてください。

鈴愛ちゃんが正人に感じているものは「安心感」だと思います。彼女はたまに暴走機関車のように周りを巻き込むけど、正人は一切ペースを乱されないので、そこが魅力的に映っているのかなぁと。
逆に、正人から見た鈴愛ちゃんは、一緒にいておもしろい、放っておけない人。正人と正反対で、熱量が高いし、喜怒哀楽がクルクル入れ替わりますからね。「興味深い人だなぁ」から始まって、笑顔でいてほしいなぁ、笑顔にしてあげたいなぁと、気持ちが変化していったんじゃないでしょうか。芽郁ちゃんの演じる鈴愛ちゃんを見ていると、自然にとろ~んとした笑顔になれるので、そこはすごく助かっています(笑)。

たぶん、正人は鈴愛ちゃんをとっくに好きになっているはず。公園でキスしたときからなのか、もっとさかのぼって、「あなたが私の王子様」と言われたときからなのか、見ている方にいろいろ想像してもらえたらうれしいです。解釈の余地を残す芝居をしたつもりなので、正人のちょっとした目線や間にも注目してみてください。

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