『浦島太郎』の続きだよ!
お爺さんは浦島さんの行方を知っているみたいだけど???
国立国会図書館デジタルコレクション - 御伽草子. 第21冊 (浦嶌太郎)
【翻刻】
しまのゆくゑをば御
たづね候やらん。ふしぎ
にこそ候へ。そのうら嶋(しま)
とやらんは。はや七百年
いせんのことゝ申つたへ
候と申ければ。太郎大
きにおどろき。こはいか
なることぞとて。そのいは
れをありのまゝにかたり
けれバ。おきなもふしぎの
おもひをなし。なミだを
ながし申けるは。あれに
みえて候ふるきつかふるき
せきたうこそ。その人の
びやうしよと申つたへ
てこそ候へとて
ゆひをさして◆をしへ◆ける
[※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。]
【現代語表記】
島の行方をばお尋ね候やらん。
不思議にこそ候え。
その浦島(しま)とやらんは、早[はや]七百年以前の事と申し伝え候。」
と申しければ、太郎、大きに驚き、「こは如何なる事ぞ。」とて、その謂れ[いわれ]を有りの侭[まま]に語りければ、翁も不思議の思いを成し、涙を流し申しけるは、
「あれに見えて候古き塚、古き石塔こそ、その人の廟所[びょうしょ]と申し伝えてこそ候え。」
とて、指を差して教えける。
【ざっくり現代語訳】
(爺さんは、)
「どういうご縁で浦島の行方をお尋ねになるのでしょうか?とても不思議です。
なにしろ、その浦島とやらが住んでいたのは、もう七百年以上前のことと伝え聞いています。」
と答えました。
浦島太郎はとても驚き、
「これは一体、どういうこと???」と、
爺さんにこれまでのことを、ありの~ままに~話しました。
爺さんも何だか不思議な気持ちになり、涙を流して、
「あそこに見える古い塚と古い石塔は、その浦島と言う人のお墓だと伝え聞いております。」
と、指を差して教えたのでした。
【解説】
がーん!三年だと思ってたら、故郷では既に七百年も経っていたという!!!
竜宮城では約230倍の速さで時が流れるのですな!
ちなみに、今から七百年前と言えば、1318年、鎌倉時代ですね!
確かに鎌倉時代以前のものは今でも残っているので、浦島の墓が残っていても不思議はないですね。
でも、現代に鎌倉時代の人が突然、「ワシ、執権の北条高時じゃが、政所はどこじゃ?」って現れたら、間違いなく通報されて病院送りになりますよね!(笑)
魚釣りしかやる事がない場所だったので、廃れてしまったんでしょうかね?
老人が世俗を離れて隠遁の場とするような寂れた地になってしまったようで。
この老人は、古いことを知っているのは老人だろうということで登場しただけで、特に深い意味はないみたいですね。
浦島の一族も一人息子の太郎さんがいなくなって絶えてしまったでしょうに。
故郷で両親に会えると思ったらお墓を見せられるというね、それはそれはショックでしょう。。。
次回予告とくずし字クイズ
はい、また浦島さんは歌を詠んだようです。
ヒントはちょっと少なめで♪
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