東芝は31日、米テキサス州の原子力発電所新設計画から撤退すると発表した。東芝本体で手掛ける改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の海外輸出第1号として2008年に計画に参画したが、進捗が大幅に遅れていた。18年末に撤退を完了する予定。関連で発生する損失は17年度決算までに計上している。
今回、撤退を発表したのは米電力大手NRGエナジーが主体の「サウス・テキサス・プロジェクト(STP)」と呼ぶ計画。3、4号機の原子炉建設を、原子力子会社だった米ウエスチングハウス(WH)でなく東芝本体が受注していた。米WHを巡り巨額損失が16年末に発覚して以降、東芝は本体で手がける事業の撤退も検討していた。