忙しすぎる日本人が知らない「疲労」の4条件

スタンフォードの一流選手は回復を重視する

スポーツも仕事も疲れがたまっているとパフォーマンスを発揮できません(写真:violet-blue/iStock)
養命酒製造が2017年7月に発表した「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査」によれば、東京勤めの男性の7割、丸の内OLの8割近くが「慢性的に疲労を感じている」と答えています。
「いつも疲れている」「疲れやすくなった」「疲れが抜けない」など、疲労の悩みはさまざまですが、「疲れ」は実際どれくらいパフォーマンスに影響を与えるのでしょうか?
『スタンフォード式 疲れない体』の著者で、スタンフォード大学スポーツ医局のアスレチックトレーナーとして16年間、選手のダメージ予防と回復を担ってきた山田知生氏は、「疲労は、脳・筋肉・脈拍……あらゆる面でパフォーマンスを予想外に下げる」とその危険性を唱えます。

世界最強スポーツ集団としての「スタンフォード」

スタンフォードは学問ばかりでなく、スポーツでも「世界最強」といわれています。

たとえば、先のリオ五輪ではスタンフォードの学生らが27個のメダルを獲得し(米国のメダルの約22%)、全米大学スポーツランキングでは23年連続総合1位。私が現在専属で見ている水泳チームにもケイティ・レデッキー選手(オリンピック・世界水泳合わせて19の金メダル)、シモーン・マニュエル選手(米国黒人女性選手初の五輪金メダル)らなど、世界チャンピオンが学生選手として数多く在籍しています。

私は、スタンフォード大学スポーツ医局のアスレチックトレーナーとして、16年間、選手の体のメンテナンスに携わってきました。われわれが普段目を光らせるのは「どうすれば、選手から疲労を最大限取り除けるか」ということです。

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  • NO NAME6566ba628758
    ヨーロッパは分からないけれど、アメリカは運動が出来るだけでなく、本来の意味の「文武両道」でいいですね。日本なんて、運動「だけ」で威張りまくってますし。この知能で生き抜く時代に笑ってしまう。
    up8
    down0
    2018/6/1 08:48
  • NO NAME8ca45b750327
    本文に関係ないけど、『東京勤めの男性、丸の内OL』ってすごい違和感。
    仮に調査範囲が丸の内だけだったとしても、書き方があるのでは?
    up7
    down2
    2018/6/1 09:03
  • NO NAME05ceb79a941c
    疲れてくると、自身が疲れていることをモニタリングする認知能力も下がってしまい、まだ何となく大丈夫、とズルズルと低パフォーマンスで動き続けてしまうことがあります。脈拍、呼吸、睡眠、腰と、客観的に疲れを把握できる指標があると、疲れの悪循環を抑制できるかもしれません。大変参考になりました。
    up3
    down0
    2018/6/1 09:14
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