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被害女性が語った“就活セクハラ”の実態とは

 6月1日から就職を目指す大学生への採用面接が解禁されますが、就職活動中に学生がセクハラを受ける「就活セクハラ」が深刻な問題となっています。被害を受けたという2人の女性が、その実態を語りました。

 「この面接は何回続くんだろう。何回、嫌な思いをし続けなきゃいけないんだろう。本当につらかった」

 大学生の町田彩夏さん(22)。去年、大手広告会社・電通の採用面接での男性面接官の言葉が忘れられません。

 「『スカートが短すぎる』だったりとか、『化粧が濃い』だったりとか、『女を武器にしている』とか、そういうようなことを直接言われました」(大学生 町田彩夏さん)

 町田さんは当時、自分を責めたといいます。

 「私がだめな人間だから、こういうふうに言われてもしかたないんじゃないかとか、すごく自己否定感は強かったです」(大学生 町田彩夏さん)

 その後、母親や友人に相談して、セクハラだと思った町田さん。去年12月、ツイッターで被害を訴えます。すると投稿を見た女性たちから、「勇気をもらった」との反響が続々と届いたのです。

 今年3月には、電通の株主総会で株主から質問があがりました。当時の中本代表取締役は「調査している」と回答。今回、私たちも見解を求めましたが、電通は「調査中です」と回答しました。

 就職活動でのセクハラ被害。訴えは他にも・・・

 「照明が暗いような、雰囲気のあるバーみたいな、こんな所にOB訪問で来たことないなっていうようなお店」

 就職活動でのセクハラ被害。この女性は、OB訪問した大手企業の男性社員にバーに誘われ、ソファー席に並んで座ることになったと言います。

 「『お酒強いって言ってたよね、飲みに行こうよ』みたいな感じで、『もう遅いので帰ります』って言ったんですけど、いいじゃん、いいじゃんって感じで手を引っ張られてしまい、2軒目に行ってからなんですけども、肩だったり腰に手を回されることがしばしば。すごく嫌でした」(大手企業のOB訪問をした女子大学生〔当時〕)

 それでも「選考に影響するのでは・・・」と思い断れず、しばらく誰にも相談できなかったと言います。

 「その会社にすごく憧れを持っていて、人とか何よりも、その仕事がしたいって思いの方が強かったので、向こうの方に悪く思われるような対応をしたら、今後の採用活動に響いてしまうのではないかなという不安が一番にあった」(大手企業のOB訪問をした女子大学生〔当時〕)

 就職情報会社が行った調査では、就職活動をした女性の4人に1人が「就活中に女性で損をした、理不尽だと思った経験がある」と答えました。

 「『君、結婚はなさそうだね』とか、言われた女子学生の側も『ちょっと今のセクハラじゃないですか』って問いただしたりはしないので、言った面接官本人も気づいてないケースもある」(就職情報会社ディスコ 武井房子 上席研究員)

 従業員へのセクハラを防ぐことは法律で企業に義務づけられていますが、就職活動中のセクハラについての規定はありません。就活中のセクハラに特化した相談窓口も無く、実態が分からないばかりか、対策もほとんど行われていません。

 実名で被害を訴えた町田さんはこう訴えます。

 「何かおかしいなと思ったときに声を上げることっていうのは、次の被害者を生み出さないことにつながると思うんですよね。被害者が泣き寝入りしない社会にしたいと思っていて、嫌なことは嫌と指摘できる社会になってほしいなと思っています」(大学生 町田彩夏さん)

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更新日時:6月01日 0時02分

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