ホール天井崩落、川崎市が敗訴 地裁「建築主に過失なし」
- 裁判|神奈川新聞|
- 公開:2018/05/31 19:19 更新:2018/05/31 19:50
訴訟では、同ホールを本拠地とする東京交響楽団(東響)と所属演奏家も、公演会場の変更を余儀なくされたため不必要な経費負担や逸失利益があったとして、UR側に約1億4千万円の損害賠償を求めていたが、同様に棄却された。
訴訟で市側は、つり天井を支えるボルトやフック状金具の設置間隔をもっと狭めるべきだったと主張したが、石橋裁判長は「建築当時、そのような技術水準があったとは認められない」と指摘。さらにフック状金具の耐久性についても、想定地震時に受ける慣性力との比較で問題はないとし、「フック状金具を用いたことは瑕疵に当たらない」と述べた。
判決を受け、福田紀彦市長は「早急に判決内容を詳細に分析し、弁護士とも協議を行った上で、今後の対応について検討したい」とコメント。東響の大野順二楽団長は「とても残念。ホールが使えなかった2年間のわれわれの苦労が裁判所に届かなかった」と話した。
URは「当機構の主張が認められたものと考えている」とした。