私のブラック企業体験(教訓9)
ハローワークは、哀れな失業者が行く場所だという思い込みがあった。
ソフトバンクを追い出された時は、まだ若く、第二新卒と呼ばれる時期だったため、
リクナビNEXTに登録すると、すぐにリクルートから面談に来ないかという連絡があった。
面談をすると、マッチング担当の女性が何個か求人票を渡してきた。
帰宅すると、母がその求人票を覗き込んできて、嫌悪感を露にした。
保険の営業や、母は飲食店を経営していた経験があるのだが、そこに出入りしていた飲食関係の業者のことをよく知っていたため、
この食品関係など絶対にダメだと言ってきた。
私としても興味を惹かれる求人はなかったので、
自力でネット検索して就職を探していた。
結局、お金が尽きてバイトでもしなければならないという段階まで来て、学習塾の仕事はリクナビNEXT経由で決まったのだが、
学習塾業界自体がブラックということがまず第一にあるが、リクナビに掲載されている求人というのも
そもそもブラックばかりなんだろうなと思った。
その何年後に、リクナビで何社か応募してみたところも
ブラックだったからだ。
ハローワークの求人詐欺にも遭ったことがあるのだが、
しかしハローワーク経由ならクレームを入れればすぐに労働局が動いてくれる。
法改正で、これから開示情報も厳しく見られてくるので、ハローワークの求人票の方が
リクルート経由より安心だと言えるだろう。
リクナビには常連のワタミや、大東建託が何故そこまで
価格の高いリクルートの媒体に載せ続けられるかということなのだ。
ブラックは人材使い捨ての変わりに、他社では稼げない程のお金を稼げているので
求人媒体に払うお金など痛くも痒くもないのだ。
リクルートもそういったブラック企業を排除できないため、
プライドを捨てたんだろうなと思う。
使わないほうが身のためだ。
ソフトバンクを辞めてからリクルートに派遣社員で入社して
その後契約社員となり、住宅情報部門でコーディネーターの仕事をしていたのだが、
全てはリクナビと同じビジネスモデルなのだ。
マッチング率を上げるためのトーク術などを刷り込まれることになり、
コンバージョンを上げるために、カスタマーを説得にかかったりもする。
カスタマーはどこかには決めるのだから後押しは有効なようにも思うんだろうが、
やり方によっては不健全なマッチングにもなりかねない。
最終的にはコーディネーターの倫理観に依存することになる。
リクナビのカウンター経由で就職を決めなかった私に、
コーディネーターは、貴女ならきっとどこでもやっていける人だと思います
と言ってくれたけれど、
私には取り付く島も無かったということなのだろう。