私のブラック企業体験(教訓6)

   

苦労してきた人間が、リベラルに物事を見られる人間とは限らない。
差別に苦しんできた人間が、人を差別しない人間だとは限らない。

私は孫正義、ソフトバンクを正常性バイアスで見過ぎていた。

私は、学生時代に中国に留学したぐらいのアジア好きだ。
韓国人も親友も、中国人の親友も居て、国際的な仕事がしたいと思っていた。

私は採用面接3回の中でそれを熱心に訴えたつもりだ。
面接官の部下に、上海に行っている人間もいるということも聞いた。

けれど、結局は超ドメスティックな部署に回された。
実質、異動も不可能の。

指がないと言われていた人みたいに、誰にも有無を言わせない立場になるか、
もしくは、課長よりうんと年上で、平野ノラみたいなバブル的な雰囲気を漂わせ、いつも遅刻したり無断欠勤したりして
もう誰の手にも負えない、だけど正社員だから簡単に解雇出来ないという立場を利用して
他部署にわざと飛ばされるか。
これしか方法がなかった。

順調に行けば、男性は勤続10年で課長。
つまり32歳で課長になれる。
内勤の女性は何年勤めても内勤は内勤のまま。会議にも出られない。

ごくまれに上司に気に入られ、やる気が認められれば5年ぐらい経験を積んだ後、
総合職になれる女性もいる。ただし、これも運だし、女性はいつでも降格の危険性に晒されながら
働くことになる。

男性はどれだけ馬鹿でも修行など求められないのに。

孫正義は、リベラルな人ではない。
周りを寧ろ右翼的な人達で固めている。
時代だとか世代で片付けるのは違うと思う。

リクルート社も問題の多い会社だったが、
正社員のジェンダーギャップについては限りなく少ないだろう。
やろうと思えばいつでも変わるチャンスなどいくらでもあった。

でも、ソフトバンクは変わろうとはしなかった。
金儲け第一主義でここまで来てしまったのだ。

 - ブラック企業

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