試合後のインタビューでは、「ウチの選手を、本当に誇りに思う。27年もかかってしまい申しわけない」と、こみあげる思いに言葉をつまらせることもあった内田正人監督。チーム再建を託されて2季ぶりの監督復帰でしたが、恩師である故篠竹幹夫元監督の“教え”を継承した指導が実を結び、監督として甲子園ボウル初勝利となりました。
また、この試合の最優秀選手に選ばれたQB林大希選手は、同時に年間最優秀選手(ミルズ杯)にも選出され、どちらも1年生では史上初となる快挙となりました。
昨年のリーグ戦4位から、大学日本一へ。まさに不死鳥のごとく蘇ったフェニックスは、新春1月3日(水)に行われる第71回ライスボウル(日本選手権)に進出し、「富士通フロンティアーズ」と日本一を目指して激突します。
第72回甲子園ボウル 優勝
甲子園ボウルでは3年ぶり29回目となる「赤(本学)と青(関学大)」の宿命の対決となったこの試合、関学が試合開始早々にTDを奪って先制。しかし、1年生ながらエースナンバー「10」を背負うQB林大希選手が積極的なランを見せるなど次第にペースを握り、12分36秒に同じ1年生のWR林裕嗣選手へ39ヤードのロングパスを決めて反撃を開始。さらに前半終了間際に1年生のRB宋旻宰が16ヤードのTDランを決め逆転。後半に入っても着実に点を重ねた本学は、2連覇を狙う関学の反撃を1TDに抑えて見事に優勝を飾りました。
QB林大希選手
QB林大希選手
勝利の瞬間
内田正人監督
[内田正人監督]
27年ぶりの優勝というのは、僕が篠竹監督のもとでコーチをやっていた時が最後。やはり長かった。関学・立命の壁が高く、関東でも法政や慶応・早稲田が非常に強くなってきていたので非常に苦しかったです。
当初は甲子園ボウルだとか関東制覇だとか言えなかったし、関学に比べると我々はエリート集団ではないので、1試合1試合勝って選手に自信をもたせていくしかなかった。
ただ、僕がやっているのは、篠竹監督がやっていたことをアレンジしてきただけ。1年生がこれだけ大きな舞台で活躍できたのは、短期間に大学で通用するように育てあげたコーチたちの手腕だと思います。今日の戦い方も、コーチたちが組み立てた練習に基づいたプラン通りの展開でした。学生とコーチがほんとによくやってくれたと思うし、彼らを誇りに思っています。
山崎奨吾主将(左から3番目)
[DF山崎奨吾主将]
先制点を獲られたあと、第1Q・第2Qで相手を止めてアジャストできたことが大きかったと思います。DFとしてやりたいことができたのもそうですが、一人一人がビッグプレーを出してくれたのにも助けられました。
今までつらいことも多かったですが、それをやってきたからこそ今があって笑って終われているので、やってきて良かったなと思います。ライスボウルでも自分たちの本領を発揮できるようにしっかり練習していきます。
林大希選手
[QB林大希選手]
僕らの代で負け続けていたのをマインドセットしようと話していたのですが、それができてうれしかったし驚いています。全員が支え合ってやってきたし、実力通りにできれば勝てると思っていました。
今日は自分でも落ち着いていましたし、調子も良かったです。僕らはたくさんのプレーを準備してきて、そこにすごい自信をもっていたので動ずることはないと思っていました。また、春シーズンからの走り込みが活きていると、チーム全員が感じていると思います。スピードがついてランの切れもつきました。今日の試合では、最初のTDパスが勝利につながったと思います。
MVPは僕ではないと思っていたので驚きました。周りがすごく支えてくれたおかげです。