阪急電鉄さん、全駅のツバメの巣や巣作り中の泥付けを撤去せず、適切に共生をお願いします。
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野鳥であるツバメは、40年前と比較して半減以下まで減少したとも言われており、現在、国内の一部地域では絶滅危惧種に指定され始めています。
原因は、主食であるハエや蚊やハチなどの飛翔昆虫の減少、人工建造物の壁の素材の近代化などによりツバメが巣作りしにくくなった、などありますが、更には人間が巣を撤去してしまう事例が増えたことも指摘されています。
そのため近年、色々な電鉄会社が駅でのツバメの営巣を積極的に見守り保護して共生しているといったニュース記事も見かけるようになりました。
ところが、関西の阪急電鉄においては逆に、2018年より全90駅を対象にツバメの巣や巣作り中の泥付けを全て撤去し、駅からツバメを追い出すという取り組みが始められました。
ツバメは巣が無ければ卵を産めませんので、そういった阪急電鉄の取り組みは、減少種ツバメの減少の加速に直結します。
そこで、阪急電鉄に対して以下2つをお願いしたいと思います。
《阪急電鉄にお願いしたいこと》
●全駅に子育てに来るツバメ(※1)の巣や巣作り中の泥付けを撤去しないでください。
●全駅に来るツバメ(※1)の子育てを見守り、適切に共生をお願いします。(※2)
(※1)対象種:このキャンペーンでいうツバメとは、主に人工建造物等で営巣するツバメ類の全種類(ツバメ、コシアカツバメ、など)を指しています。
(※2)子育てするツバメとの共生方法の参考事例は、環境省ホームページにも掲載されています。
出典:環境省『緑の国勢調査5回(巣作りを助ける工夫)』
http://www.biodic.go.jp/reports/5-4/p028.html#巣作りを助ける工夫
又、京王電鉄も、2014年からツバメと共生で生物多様性に取り組んでおられます。企業キャラクター絵柄付きのフン受けを巣の下に設置して共生。
(公式発表は、京王電鉄ホームページのニュースリリースで閲覧できます。2018年は、4月12日付け発表。
生物多様性とは、
出典:環境省『生物多様性』
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/index.html
~~日本のレッドデータ~~
ツバメは、一部の地域では絶滅危惧種に指定され始めています。
まずは、その野鳥の背景を調査し、慎重に対応を熟考してから、行動を起こす、それが本筋ではないでしょうか。
(2018年5月時点)
■絶滅危惧種
・ツバメ:千葉市(『要保護生物』=絶滅危惧種のカテゴリに相等)
・コシアカツバメ:岩手県、秋田県、茨城県、埼玉県、東京都、鳥取県、徳島県
■凖絶滅危惧種
・イワツバメ:千葉県
・ツバメ:千葉県
・コシアカツバメ:新潟県、石川県、福井県(2017年から)、山梨県、静岡県、大阪府、和歌山県、香川県、高知県、福岡県、宮崎県
日本のレッドデータの最新の情報は、『日本のレッドデータ検索システム』
で、キーワード『ツバメ科』で検索すると、最新の結果を得られます。
千葉市レッドデータは、千葉市のホームページ
https://www.city.chiba.jp/kankyo/kankyohozen/hozen/shizen/sizen_redlist.html
で、『千葉市の保護上重要な野生生物-千葉市レッドリスト(本編)』(pdfファイル)をダウンロードすると閲覧できます。
ツバメは、様々な地域で順々に絶滅危惧種へ移行しつつあるようです。
絶滅の前例として、日本産のトキや日本産のコウノトリのように絶滅してしまうと、再生が大変です。
又再生は、日本産絶滅後に中国産のトキやロシア産のコウノトリを導入して、世間から外来種じゃないかとナンヤカンヤ言われて、いや遺伝子検査で中には同じ個体もいるとか言っても、本当にそれで良いのかどうか誰しもスッキリしないのものです。
~~阪急電鉄の駅におけるツバメの状況~~
阪急電鉄は、大阪府、兵庫県、京都府に渡って全90駅を有しています。
■2017年まで
2017年まで長年に渡り、一部の駅にツバメが営巣し、各駅の駅員さんが見守りされてきました。(分布状況は年により変化)
駅でのツバメの子育てを多くの乗客が喜んでいた一方で、そのフンを快く思わない乗客からのクレームも増えつつあったそうです。
■2018年1月以降の様子
ツバメのフンへのクレームが増えた事を理由に、阪急電鉄はツバメを駅から追い出す方針に転じました。
全駅を対象に、駅に残っていたツバメの巣を全て撤去されました。それらは駅員さん達がツバメを想い、大事に保全なさっていた巣でした。
■2018年4月以降のツバメ飛来時期の様子
ツバメが、壁などに巣作りの泥付けを始めると、その都度1~3日以内に阪急電鉄の担当者が、その泥を拭き取っています。
鳥獣保護管理法は、繁殖は保護し、個体数調整は成鳥に対して行う方向で作られています。
現在(2018年5月)施行されている同法では、卵やヒナがいる巣を壊したり撤去したりする(親鳥に繁殖を放棄させるような行為)と違法の可能性となりますが、卵やヒナがいない巣を撤去しても違法となりません。
従って、産卵されるまでの巣は、人の理性によって保護されているのが現状です。
(あるいは産卵されるまで巣の存在に気づかなかった。)
そこで阪急電鉄の担当者は、違法にだけはならないように、卵やヒナがいない巣を撤去したり、巣作り始めたばかりの壁への泥付けを拭き取りしているわけです。
泥付けを拭き取られたツバメたちは、その後も何度か新たに泥付けをして巣作りを試んでいますが、それを始めて1日~3日後には、担当者によって拭き取られてしまっています。
つまり担当者は、ほぼ毎日、全駅の壁をくまなく見まわり、ツバメの巣作りの泥付けがないかどうか目を光らせているようです。そして見つけたら即拭き取りされているようです。
泥付けを拭き取られる回数が増えると、ツバメはその場所での繁殖を諦めて去っていきます。
阪急電鉄の狙いは、そこにあるようです。
~~ツバメの繁殖への影響~~
前年の古巣があれば、概ね4月~7月末までの繁殖シーズン中に、ツバメは2回の繁殖をすることができます。
無事に巣立った後の巣立ち雛の1年生存率は10%台と言われています。
しかし、古巣が無く、新しい巣作りも出来ない状況では、日が過ぎるばかりです。
やむなく駅から撤退したツバメの番(つがい)は、新しい営巣場所を探すために時間を費やします。
そうこうしている内に、時は経ち、その年の繁殖のチャンスを失ってしまいます。
【別途、法改正も求めていきたいと思います。】
本件をきっかけに、
現在(2018年5月)施行中の鳥獣保護管理法では、ツバメの繁殖を保護して個体数減少を食い止めるのは困難と受けとめ、
政府や環境省に対して鳥獣保護管理法の改正を求めていきたいと思います。(準備中)
《呼びかけ団体・呼びかけ人》
粟野真造(浜・川・山の自然たんけん隊事務局長)
生き物を温かく見守れる企業であってほしいですね