日本では「輸入車=ドイツ車」というほど販売比率は圧倒的。少数派のフランス車やイタリア車といったラテン系は、本来は実用車であっても、趣味性の高いクルマというイメージになる。ルーテシアもそんな1台だ。
そしてルノー自体も、欧州ではとてもメジャーなブランドでありながら、あるいはF1での金字塔を打ち立てたのもそう遠くない昔の話でありながらも、日本での認知度はイマイチ。
なんでも1年ほど前の調査では、ルノーと聞いてイメージするものというと、1位がフランス、2位がカルロス・ゴーン社長、3位が日産だったそうだ。本来は真っ先に出てこないといけない、肝心のクルマの印象が薄いのだ・・・。
そんな状況を打破するのに一役買うかもしれない、今回のルーテシアのビッグマイナーチェンジ。
ガラッと変わった押し出しの強いフロントマスクを見ると、フルモデルチェンジかと思ってしまうほど。
横に回って、さらに後ろに回って眺めると、こちらはそんなに変わっていないが、全体としては、よりモダンになり、車格も上がった印象だ。
全長がカタログ値で実際より35mm伸びているが、これはナンバーブラケットまで含めた数字で、実際には20mm程度の拡大。それでも見た目としては、もっと大きくなったように感じられる。
とにかく従来は超えていなかった4mの壁をわずかに超えたのは事実。1,720mmという全幅はこれまでと変わらず、もともとBセグながら3ナンバー車である点もルーテシアの特徴だ。
ATで219万8,000円、MTで209万8,000円という価格は、ESPの標準装備化を勘案すると、従来の値下げと捉えていいだろう。198万円~というルノーの末弟トゥインゴとの差も小さい。
5速MTモデルの販売が継続されたのも、マニュアル派にはうれしい話だ。