皆さまがメンバーやノルマやハラスメントに耐えながら汗水垂らして働いている平日の昼間に神奈川の秘境、丹沢湖で美味しいランチを食べてまいりました。サーセン。
なぜ、僕が平日の昼間にモンキーが出現する道を奥へ奥へとひた走っているのか。本題へ入る前に、我が家のスタンスを表明しておきたい。おかねばならない。食事でも、レジャーでも、スポーツ観戦でも、ジャンルにかぎらず、妻と外出する際には事前の入念な下調べが必用不可欠である。なぜか。妻の怒りが恐ろしいからである。
今、思い出しても胸が苦しくなるのだが(PTSDかも)、かつて、たしか4、5年前のことになるが、「鍋割山(神奈川県)という山の上で美味しい鍋焼きうどんを食べよう」と妻を誘ったことがある。「山の上」は「登山」を指していたのだが、妻にとってのそれはシャレオツな「丘の上のお食事処」。その認識の差が原因で、前日、粛々と登山の準備をはじめた僕に対して、妻は激しくお怒りになられたのである。なぜ登山靴を出しているのか、登山帽の匂いを嗅いでいるのかと。
不思議なのは、妻は、お怒りになられても山登りには付いてきて、鍋焼きうどんもしっかり食べたことである。「鍋割山に登り山頂で美味しい鍋焼きうどんを味わったのだからいいではないか」。今でも僕はそう思うのだけど、妻は僕の事前準備不足とそれに伴う情報開示不足のスタンスを非難するのである。もっと楽に行けるスポットを見つけよ、と。夫婦間の会話が不足しているだけのような気がしてならないが。
それ以降、僕はお出かけ前の調査と情報の開示に力を入れるようになった。ネット検索。雑誌。ぐるなび。ある情報筋。それらに加えて、出来るときは事前の現地調査をするようにしている。さいわい営業という仕事をしている都合、平日の昼間はほぼ外回りをしているので、その合間のランチタイムを利用して事前調査をしている。今回、丹沢湖を訪れたのはその一環である。
なぜ丹沢に来ているかと申し上げますと、妻の「趣味のダム見学と古城見学をしたい。できれば1日で」というご要望を汲み、調査した結果、合致するのが神奈川県山北町であったからである。山北にはダム湖(丹沢湖)と古城(河村城)があり、そのうえ富士山を一望できる県立公園もある。
そしてランチも「そこでしか食べられないもの」という要望でございましたので、抜かりない調査のために、丹沢湖レストハウスを訪れた。丹沢湖レストハウスは丹沢湖そばにあるナイスな食堂である。ランチタイムに事前調査をするうえで、ひとつ問題がある。仕事をした後なのでハングリーになりすぎていることである。具体的にいうと調査対象に至る前にとりあえず食事を取ってしまおうとなってしまうのである。
平日にもかかわらず意外なことに(失礼)レストハウスは満員であった。足柄牛。わかさぎ。やまめ。いわな。魅惑なワードがメニューに並ぶ。しかし限定15食の魅力に抗えなかった僕はダムカレーを頼んでしまう。
ぐるなび編集部の皆さんの「フミコさん…またカレーですか。記憶力がないのですか?アホちゃいます?お願いだから足柄牛ステーキ丼を頼んでください…空気読んでくださいよ…」という声が聞こえてきたが、仕方なく、本能にしたがって、無視した。人生は一度きりなので素直に生きたいものである。
ダムを見学する前にダムカレー。ダムが先かダムカレーが先かという哲学的な問題に悩んでいるうちに三保ダムカレーどーん。税込885円なり。足柄牛のメンチ入りが嬉しい。年齢のことは悲しくなるのであまりいいたくないが、44才のおっさんがひとりで食べるにしては可愛すぎるカレーである。
良く見ると盛付がめちゃくちゃ凝っている。これは15食しか盛りつけられないクオリティ。味は優しいカレーで、辛いのが少々苦手な僕にはちょうどいい感じであった。メンチは牛肉がたっぷり入っているので肉感がとても美味。しかしこのメンチは何をあらわしているのだろう…。そして、この謎は後ほど解明されることになる。
ダムカレーを決壊させたり、大学生と思われる男女6人組(男性2、女性4)を心の底から羨ましがっている様子を悟られないようにく食後のコーヒーを飲んでいると、あら不思議、また別のダムカレーのポスターを発見!お店の方に聞くと8月と11月は限定のダムカレーを出しているとのこと。
なんと、このあたりには三つもダムがあるのでリクエストにこたえてしまったとのことである。な、なんだってー!ユーシンブルー玄倉カレー猛烈に食べたい!
その後、僕は食した三保ダムカレーが実際の風景をどれだけ再現しているのか検証することにした。ダムカレーのあとにダムのスピリットである。
ライスにかかっていたグリーンはこのダムの壁に生えた草を表現したのだね!
どこから見てもあのカレーに浮かんでいたメンチカツである。「すごいぞ!メンチは本当にあったんだ。ダムカレーさんは嘘つきじゃなかった!」と小さく感動。
ダムはとにかくデカかった。そして平日のせいか人がひとりもいなかった。ゴーッという水流の音や風に揺られた木々の奏でる音を全身で浴びていると、ああ、ひとりで来てみてよかった、と思った。後日、妻と来たら、また違う光景が見られるだろう。それはまた楽しみでもある。そのときはステーキ丼を注文しよう。同じ場所でも2度楽しめるというのはまあ贅沢なのかもしれない。ではまた。
今回のお店
- ジャンル:和洋レストラン
- 住所: 〒258-0203 神奈川県足柄上郡山北町神尾田759-9
- エリア: 小田原・南足柄
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書いてるサラリーマン
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です(管理職/営業部長になりました)。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/
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